書店員見習い

CLOSE/クロースの書店員見習いのレビュー・感想・評価

CLOSE/クロース(2022年製作の映画)
4.2
予告編を見てLGBTQを題材にした話かと思っていたけど、思春期ならではの、心の機微を繊細に描いた作品だった。
主役の男の子2人の演技が素晴らしい。特にレオ役の子、目力が凄くてカメラに視線が向けられる度に見入ってしまった。
セリフは少なくとも、視線、しぐさ、表情から感じている事が伝わってくる素晴らしい表現力。カメラワークや演出もとても良かった。

思春期の多感な時期。交友関係も広がり、知らなかった世界が開ける。
そんな時に二人の関係をからかわれ、周りの目が気になる様に。少しずつ距離を置こうとするレオ。その変化についていけないレミの孤独感が伝わってきて辛かった。

後半のレオの心情の表し方も良かった。
何事もない様に日常を送っていてもふと見せる表情。
身体に現れる症状。
怪我をきっかけに抑え込んでいた感情が溢れ出すシーン。
痛くて泣いてるのではなくて、張り詰めていた糸が切れてしまったんだと思う。
(私も抑鬱状態だった時に似た経験をした)

レオの罪悪感、トラウマがなくなるのにはとても時間がかかりそう。どうか心のケアを、と願ってしまった。