アラカン

CLOSE/クロースのアラカンのレビュー・感想・評価

CLOSE/クロース(2022年製作の映画)
4.2
歳を重ねていつの間にか勘違いしてしまっていたけれど、自分だって当時は当時なりに必死に人生を生きていた。たいてい幼少期は愚かに映るけれども決して侮るものではない。レオの一挙手一投足はその時々で自身の最適解だと信じ行動した結果だった。彼なりの深慮があったはずで、それをなじることはできない。だからこそ幼さは無邪気でも無垢でもなくただの無知であることは、たとえ成人を迎えても常々意識しなければならない。
この2人の少年の姿は誰にでも当てはめられるのではないだろうか。是枝監督の「怪物」同様、クィアを扱った作品ではあるだろうが、個人としてはそうしたジェンダーという枠自体に対しても批判しているように映った。愛情をカテゴライズすることの暴力性に自覚的になれと、そう言われている気がした。
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