ちろる

ブロークン・イングリッシュのちろるのレビュー・感想・評価

3.5
ホテルの顧客サービスをしているヒロインのノラ、独り身で、結婚相手を探すも未だ良い人が見つからず。
顧客である俳優のニックに食事に誘われたが、つい一夜を共にしてしまった上、のちにステディがいる事を知る。

なぜ私にはいい人が見つからないの?
世界一男運が悪い気がする。

パックしてヨガして、クッキー食べてそれでも
あまりにも孤独で、同僚のパーティーへ
素敵な人に出会ってしまった。彼はフランス人で英語が話せるジュリアンと名乗った。
でももう一夜限りの女になりたくない。
虚しい思いはまっぴらだ
臆病な心が彼のアプローチにストップをかける。
だって彼はパリから仕事で来ているだけなのだ。

不安定なノラに彼はピッタリの相手だった。
最高の時間であればあるほどに苦しくなっていく。

たった2日、人生が魔法のように変わるはずはない。
人生はときどき思いっきり大胆なことをしなければ次へ繋がらない。
荷物を届けた老婦人が言った。
「自分を哀れんでいては何も始まらない。」って、哀れんでる暇があれば誰かを愛する努力をしよう。

適齢期の女性の不安定な精神状態をノラが等身大に演じているかといえばそうとも違くて、人生投げやりでちょっと極端な行動に出たりちょっとメンヘラ気味になってしまっているからなかなか共感できない。
ノラは自分を愛せず、不幸だと思い込むことで自分をそういうついてない状況に持って行ってしまうタイプなのかな?

だけど、ノラがパリで自分を取り戻してゆくところは一転、ノラのことが愛おしくて応援したくなる。
出会う人たちも温かくて私も一緒にパリを旅しているような気分になる。
やっぱり、パリはロマンスの街、ノラも少しずつ不幸の皮を剥がしていって、
最終的に他人ではなく、自分の中に原因があることに気づき、吹っ切れた状態になると、あっという間に幸運の女神が舞い降りてくる。
やがて異国で一人覚悟を決め恋人を探す決意をした後にあのラストに向かう・・・
素敵でした。

監督はジョン・カサベテスの娘・ゾエ、母のジーナ・ローランズ
も主人公の母親役で出演していてまさしく映画サラブレッド。
荒削りな部分はあるにせよ処女作でこれだけのものが撮れるのであれば流石。

やさぐれてたノラがロマンティックなラブストーリーのヒロインになれてほっと胸を撫で下ろしました。
ちろる

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