Wakana

トリとロキタのWakanaのネタバレレビュー・内容・結末

トリとロキタ(2022年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

プレミア上映会にて。
ダルデンヌ監督の作品が好きでいくつか見たが、今作ではこれまで気になった〈人の罪意識〉や〈愛の渇望〉については特に強調されず、姉のロキタがひたすら搾取されて救いのない映画だった。とても面白かったけど。上映後、監督が言っていたように「保護者がいない一部の移民の子どもが欧州でどのような目に見舞われるのかを告発」している。
さらに「性別も体格も性格も非対称の二人にすることで生まれる力学から物語を語りたかった」とも言っていたのが印象的だった。たしかに、ロキタの恰幅もよく弟からもよく愛されるずっしりしたイメージとどうしてもビザが降りないという足元の不安定さの対比が鮮烈で、彼女の弱々しさが強調されていた。
あと子どもの先を見通す力の足りなさがシリアスで重い。そういうものは教育で培われていくのだろうか。
Wakana

Wakana