Aya

トリとロキタのAyaのレビュー・感想・評価

トリとロキタ(2022年製作の映画)
3.9
#twcn

早くも今年ベストの予感。

ずっとフランス映画やと思って観てたらベルギーの映画やったという驚き…ベルギーといえばビールとTomorrowland.

そしてフランス語が通じるイメージ…全編フランス語なんやから気付かねぇよ💢

か、ベルギーはあんまりアフリカ系の難民がこないのかな?フランスはアフリカ系の方が普通に多いイメージあるし。

それにしてもダルデンヌ兄弟はほんとにシンプルですよね。
言いたいことがハッキリしてる上驚くほど映画としての体を成してる。

タイトルの"トリとロキタ"にも頷くしかなく…

なんでこんなに大変な思いしなきゃなんないんだよ。゚(゚´Д`゚)゚。

悪いことしてないやん。゚(゚´Д`゚)゚。

いやしてるけどベルギーってHempは違法なの??と思って調べたら18歳以上は3g以下の所持が合法とな。
しかし売買は禁止。

なんやねんそれ…みんながみんな自前で育てられるわけないやんか。゚(゚´Д`゚)゚。

ということはロキタの歳は18歳以下と設定するのがセンテンス。

この映画で描かれるHempの栽培すごいですね…Pusherみんな見なよ…申し入れなくても自家栽培できるよ…あんだけの装置を備えて管理ができれば、って話なんやけど画面で見る限り本物ではない気がしたのですがいかがですか??(なにこの問い)

普通にロキタが押しまくり普通にトリが付いてきて2人で立てる未来予想図が見るからに空手形過ぎるしいつトリが自転車で事故るのかと思ったら…ライトちゃんと点ける描写めっちゃいいですよね。

子供も見れる。
※レイティングはもちろんG

トリのあの行動力と頭の良さにドキドキしますよね。
ロキタを呼ぶ声がわたしの頭からも離れない…

性的な虐待もあるのにちゃんと隠して見せるからより残酷で奥深さを感じるしあんなの平気なわけないやんか…なんなんあのクズ…揉み合いになった時ちゃんと脚首の骨折るとことかプロみが凄い。

そんなこの世のど底辺a.k.a迫害の嵐の中でロキタが夢を見るのは『弟たちを学校に行かせるために母親にお金を送る。そしてビザを取得しヘルパーになる』という誰にも迷惑をかけない、普通のベルギー人にはそう難しくない未来。

なんであの2人が幸せになれないんだよ…幸せじゃなくても最低限の不幸は免れないんだよ…

でもただ搾取されるだけでなくちゃんと考えて自分たちの益になる行動も起こせるとことかどんだけ凄いねん…

この2人の絆の深さにただただ脱帽。

人はなにか心の支えになることがあれば生きていける。
ただそのなにかがないと本当に生きる意味を持たない。

きっとこういう問題が現在進行形の社会問題だからでしょう。

そして常に"持たざる者"へカメラを向けるダルデンヌ兄弟に今日もまた手を合わせて土下座の日々であります。

こんな話作る方もしんどいやろうに…せめて撮影現場のケータリングが豪華とか有名俳優が現場に遊びにきてくれるとかみんながめっちゃ仲良しでフレンチジョークを飛ばしながら和気藹々と撮影してるとかそういうの見せてくれないと俺たち映画館の席から立ち上がれない…エンドクレジット後のNG集みたいなん付けてよ。゚(゚´Д`゚)゚。

88分詰まりに詰まった濃密さとキョーレツなメッセージに胸を抉られ怖くて不安でずっと泣いてた。

吸水性の高いバスタオルを持ってみんな劇場に急げ!!!
とにかく観て。


日本語字幕:横井 和子
Aya

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