移民の姉弟の絆…予告ではそんな印象を受けたけど、フィクションとはいえ世の中…世界情勢はそんなに甘くはなかった。
移民の冷遇、少年少女にまとわりつき、搾取する大人たち。困窮してドラッグや売春といった犯罪に生きるためだけに手を染める子どもたち。
どうしようもなく悲しいのに、悲しさの原因である社会や人間たちへの怒りが絶え間なくて泣く暇もなかった。
『ビザを取得して家事ヘルパーになって弟と暮らす』
これって夢?
これって現実?
こんな些細な願望すら叶わない、叶えてあげられない社会とその一員であることを否定できない自分にも物語が辛かった。
子守唄を唄いながら、姉弟がただ寄り添って眠るだけの幸せ。
そんなものすら叶わない現実がどうにも悲しい。