Kaz66

トリとロキタのKaz66のレビュー・感想・評価

トリとロキタ(2022年製作の映画)
3.6
「ロゼッタ」「ある子供」で2度のカンヌ国際映画祭パルムドール受賞。「少年と自転車」で史上初の5作連続カンヌ主要賞受賞の快挙を成し遂げた、映画を通して『人間の尊厳の在り方』発信し続けるベルギー映画界の巨匠:ダルデンヌ兄弟の最新作(第12作)。
本作は彼らの作風の代名詞とも言える、“BGMなし”、“演技未経験の主演俳優”、“削ぎ落とされた作劇”と…、キャリア35年にして到達した、シンプルかつ強靭なメッセージを世界に突きつける。
パッと観は、ただただ辛い…、救いのないマイノリティの現実描写、のようなシンドイ映画なのだが、我々日本人はちょっと直面しにくい『移民問題』を、(ウクライナ侵攻等で)益々潜んでいく“分断社会”の中ですぐ身近にある(=其々の社会の二重構造の中に組み込まれてる)問題として見えるところに晒していく…。
様々な“エネルギー”を感じる作品でした。が…、やっぱり辛いです、やりきれないです。😢
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