リラリオ

トリとロキタのリラリオのレビュー・感想・評価

トリとロキタ(2022年製作の映画)
4.0
アフリカからベルギーへたどり着く途中で出会ったトリとロキタ。

トリ…ベナン出身の幼い少年。2011年11月に生まれ、「不吉な力のある子」と迫害にあう。しっかり者でロキタを支える。
ロキタ…カメルーン出身の10代後半の少女。仲介業者を介してベルギーに密入国。すでにビザが発行されているトリの姉と偽り、ビザを取得しようとしている。パニック発作持ち。家族への仕送り、トリの学費を稼ぐため働くが、ビザがないため正規の仕事につけず、ヤベェ仕事に手を出す。

互いに支え合い、どんな時も一緒のふたり。
ビザ取得のための面接→「生まれた直後に捨てられ、会っていなかったトリをなぜ弟だと?どこの施設で見つけた?弟を見分けた方法は?」→「えっと…不吉な力がある子供が行くママ・モニクの所で…トリは?って聞いた」→「なんで施設がつけた名前知ってんだよ…」→「…」→パニクり泣き出す→ロキタが発作を起こしたため、面接は別の日になる…

保護施設で暮らすトリとロキタ。イタリア料理店で客に向けてカラオケを歌い、小銭を稼いでいる。しかし、それは表向きで、実はシェフのべティムが仕切るドラッグの運び屋をしていた…

母親に送金しようとするが、密航を斡旋した仲介業者にとっ捕まる→「連れてきてやった代金払えや!」→送金予定の金を奪われる→母親から電話→「送金しようとしたら仲介業者に…」→「お前、自分で使ったんだろ!」信じてもらえず、キレられる→発作→心配するトリ→「斡旋料、あといくら払うの?俺も働こか?べティムに頼んで、売人に…」→「だめ。あんたは学校が…」→「ロキタは?」→「私は、ビザをもらったら、ヘルパーの学校へ行く!」
ビザを手に入れ、家事ヘルパーになれば…
誰にも邪魔されず、祖国へ仕送りし、アパートを借りてトリと暮らせる…
いつかそんな日が来ることを夢見て頑張るロキタ。

しかし…
質問に答えられず、面接大失敗→ショックで泣き出すロキタ→トリは面接官に抗議→「なんでダメなの?」→「本人に聞けや!」→「どうして僕はいいのに、姉ちゃんダメなん?」→「君は不吉な子として迫害されたからだよ」→「姉ちゃんも僕を助ける時、殺されかけたよ!」→「DNA検査する予定だから、それではっきりするよ!」→「…姉ちゃんいなくなったら、僕はどうしたら?」→「私は力になれない」面接官はトリを冷たく突き放す。

ロキタは、べティムに頼み偽造ビザを手に入れることにする。べティムはロキタに新しい仕事を提案する。
それは3ヶ月間、トリと離ればなれになりある仕事をしなくてはならなかった…
「3ヶ月も!?」→「ビザ欲しいんだろ!部屋食事付きだぞ!」→ロキタは仕方なしに引き受ける→車に乗せらる→途中で、目隠しされる→「目隠し…なんで?」→「場所は知らないほうがいい…お互いのためだ」

目隠しされ、連れてこられたのは外界からの情報を一切遮断された倉庫のような場所。
そこは大麻工場だった…。

携帯電話禁止、SIMカード没収される→トリと連絡が取れなくなる→ひとりきりでの大麻栽培→数日経ち、食料配達の女が現れる→トリと連絡を取らせてくれと頼む→「自分に言われても…買い物指示されただけだし…」→パニック発作発動→「大丈夫!?」→「トリに…弟に連絡を…」→女はべティムに連絡→30秒だけトリと話をする→会わせてくれと頼むが断られる→女が去り、ひとりになるロキタ→「頑張るよ、トリ。心配しないで…ビザもらって、家事ヘルパーになって…2人でアパートに住む…」

べティムがロキタのところに行くと聞き、トリはべティムの車に潜り込む→ロキタのいる場所に着く→車から抜け出し、べティムが帰るのを見届けてから建物に侵入→感動の再会→トリはロキタに自分のSIMカードを渡す→トリは大麻工場の大麻を盗み、売ることにする→「あんたを売人にしたくない…」→「大丈夫、学校は行く」→「お客は?」→「べティムの客のクラブの用心棒。いつも高ぇって言ってるから、安く売れば告げ口しないさ!」→そこへ、偽造ビザに使用する証明写真を撮り忘れたべティムが戻ってくる→慌ててベッドの下に隠れるトリ→写真を撮る→そしてべティムはロキタに服を脱げと言い出す→「ビザ欲しいんだろ?」→「…」→脅され、要求を受け入れるロキタ…
「私は汚い」呟くロキタ
「汚いのはあいつの方さ」
「ママにいて欲しい」
「僕がいるさ」
そしてトリはロキタの手を握る。
微笑むロキタ…。

街に戻ったトリは盗んだ大麻をクラブの用心棒に売り、稼いだ金をロキタの母親に送金する。
そしてバスに乗り、再びロキタに会いに行くのだが…。

本当の姉弟ような絆で結ばれたトリとロキタ。しかし残酷な現実は二人を引き裂く…
非情で無情…なんでそうなるぅ…辛すぎるだろ…。
ふたりが楽しそうに熱唱し、着メロにまでしていたお気にの曲…父さんが市場で買ってきたネズミを猫が食べぇ~ネズミを食べた猫が犬に噛まれぇ~猫を噛んだ犬は棒で引っ叩かれるぅ~♪
弱肉強食は世の常みたいなあの歌が頭から離れない…。
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