りっく

トリとロキタのりっくのレビュー・感想・評価

トリとロキタ(2022年製作の映画)
4.2
本作はアクションの映画だ。移民としてアフリカから渡ってきたトリとロキタは、生きるために、そして家族を生かすために常に動いている。麻薬を売り歩く裏の仕事を任され、危険な場所へも躊躇なく歩を進め、大人に舐められまいとする気高ささえ感じる。

だが、歯止めの効かない場所までロキタは進んでしまい、そんなロキタをトリを探そうと必死に名前を呼び続ける。世間の目から離れた場所で、ロキタの名前を呼んでくれるのはもはやトリだけだ。その行動原理は、一蓮托生な運命共同体であるかのようだ。

そして終盤は、ふたりは追ってから逃れるために走る。それはビザが取れないロキタを故郷に連れ戻そうとする社会という追っ手でもある。子どもたちは常にアクションしながら、その行動原理は場面によって異なり、アクションによって終始個人と社会の理不尽な関係性を見事に描いてみせた。
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