高卒派遣社員

クライムズ・オブ・ザ・フューチャーの高卒派遣社員のネタバレレビュー・内容・結末

3.8

このレビューはネタバレを含みます

そう遠くない未来の世界。人間は感染症や痛みに弱い状態にまで進化(変異)している。政府はこの進化を障害とみなしテクノロジーで解決しようとする。その一方で裏社会では解剖学的な身体改造を公然と行うばかりか、芸術としての意味を追求する過激派が存在している。

主人公は過激なパフォーマンスアートを生業とする男女。男は「加速度的進化症候群」を患っており、常に体内で新たな内臓が生成されている。その異質な体質のゆえに政府系企業が開発したグロテスクなベッドの上で休まなければならない。二人が観客の前で繰り広げるのは解剖パフォーマンス。公衆の面前で開腹手術を行い、新たに生まれた内臓を摘出する。全く新しい身体損壊の描写といっても過言ではない。

政府と裏社会の思惑、合法と非合法の境界を行き来しながら、憂うべき人類の未来を描く。重層的に様々なテーマが絡んでいるため、単なるホラーと片付けるのは非常にもったいない。おそらく日本公開時はDOMMUNEで特集されること間違いなし。
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