かさま

クライムズ・オブ・ザ・フューチャーのかさまのネタバレレビュー・内容・結末

3.8

このレビューはネタバレを含みます

人体の捉え方とか、人の変容についてとても肯定的に感じられるところが終始楽しかった。ボディホラーは苦手な方だと思うが、内臓や傷跡は質感が特撮っぽく、世界観が見せられていくワクワク感のほうがあった。昔スキャナーズを見たときに、どうやって撮ったんだろという思いが何よりも先立ったのを思い出した。
ニューバイスとか、内面の美コンテストとか、そんなに本筋に関係あったかなというとよくわからない。じゃあこの映画の本筋ってなんなんだと言うとそれもはっきりとはわからない。
人間には自発的な進化への渇望があって、感染症も痛みもなくなりその渇望が表出しているという世界そのものを見ているようだった。外面の変化を表現するアーティストも、内面を作り変えようとする集団もいるが、そんな中でソールやブレッケンに表れる、プラスチックを食べるようになるというのが進化の方向として示されるのが面白い。ソールは機能している新しい臓器にカプリースによるタトゥーを施して摘出するというパフォーマーだから、旧人類と新人類の過渡期の象徴のような人なんだろうなと思う。
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