サマータイムブルース

クライムズ・オブ・ザ・フューチャーのサマータイムブルースのレビュー・感想・評価

2.8
冒頭、プラスチックのゴミ箱をバリバリ食べる少年が出て来るので、異食症のお話かと思ったら、それはただのプロローグに過ぎませんでした

新人類 vs 旧人類と、人類の未来に関するお話です
近未来、人類は環境の変化に合わせて痛みの感覚がなくなっています
自らの体内で次々と臓器を生み出すことの出来る加速進化症候群のソール・テンサー(ヴィゴ・モーテンセンさん)は、パートナーのカプリース(レア・セドゥさん)と共に、それを人前で手術で摘出するという前衛的なパフォーマンスを行っていました
旧人類側である政府は、要注意人物として彼らを監視します
そんな彼らに、母親に殺された8歳の少年の遺体が持ち込まれます
持ち込んだのは、その父親で、プラスチック製チョコバーを食べる、新人類のラングという人物です
彼らは、その遺体を使って新しいパフォーマンスをする事を決めます

ドラマは会話劇中心に進むので、途中で少し退屈に感じてしまいました
アクションがあったり、クリーチャーが出て来たりという派手な演出は皆無、とても静かで地味な印象を受けました

カンヌで上映中に、退場者が続出したということですが、自分としては、それほど恐ろしく感じることはありませんでした
それって、ホントなのかな〜??
ちょっと胸をパカっと開いて、内臓をツンツンして、ポロっと取り出す程度でしたけど

出てくるシーン、トイレや、事務所や、街中まで、全てが薄汚くて、薄暗い
もうちょいトイレ掃除しろよ〜

ソールが眠るオーキッド・ベッドや食事する時に座るブレックファスター・チェアの造形がグロテスクで不気味
その辺はクローネンバーグさんのアート性やこだわりを感じました
個人的には序盤にそのベッドが登場するシーンが、映画のピークだったような気がします
世界観にゾクゾクしました

その他感じたこと

ソールは、流石に体調がすぐれず、痰が絡んだような、咳払いしているような、抑えた低いしゃがれ声が渋くてカッコいい
音楽や効果音が素晴らしい
レア・セドゥさんの全裸ヌードが美しい
耳なし芳一みたいな、全身耳だらけのパフォーマーがクネクネ踊ってるシーン好き
少年の死体の股間にボカシが入ってたけど、オリジナルは写ってるのか気になりました
未成年のハダカはアウトなんじゃないの?

それから、ラストシーンの意味がよくわかりませんでした