セサミオイル

クライムズ・オブ・ザ・フューチャーのセサミオイルのレビュー・感想・評価

4.1
同監督『クラッシュ』は映画史においてある種金字塔だと思ってます。未だにあの衝撃はぼやける事なく鮮烈な記憶として残っております。そんなマイフェィバリット巨匠の新作ですが実は心の脇に置いてました。しかし切り抜き動画を見たらこれは絶対行かなきゃと即チケット取りました。

勝手に抽象的なアート作品だと思ってたら物語に筋が通ってて驚きました。普通の映画なら当たり前の事なんですけどね。
ここまで荒唐無稽(覚悟しといてね)な設定に対して話の整合性を確保するのは並大抵の仕事ではないと感じました。まともであろうとする程狂気を帯びてゆくパラドックスですね。
1996年の『クラッシュ』からもやってる事が1mmもブレてなくて物語構築と想像性がゴリッゴリに進化してた。ブレない姿勢に心打たれるし、その上で進化してるのも嬉しい。
巨匠!言うことないですよ!最高!
って感じです。

開始数分で心鷲掴みでした!

グロ表現のおもちゃっぽさは今も健在で助かりました。あれをリアルに表現されると俺はちょっと無理(笑)
女優さん達はなにかフェティッシュ美人って感じで監督の趣向を大きく反映させたんだろうなと思いました。

急速な人体の進化に人は戸惑い、倫理観が歯止めをかけるというのがいつの時代も人間の振る舞いなんだろうなと思わされました。
エッジな人間たちの今良いとこなんだから邪魔しないでよ!というのもありつつ、あの時誰かに止めてもらわなかったらやばかったみたいなのもあり、人類の進化は一進一退でちょうどよいんでしょうね。
80歳巨匠、最高でした!
退席者続出!というコピーは絶対大袈裟だと思います。どちらかというと良心的な作品でした。

デスストランディングやり込んでたのでフラジャイルが出てきて嬉しかった(笑)