クライムズ・オブ・ザ・フューチャーのかにこうのネタバレレビュー・内容・結末

摘出された腫瘍はアートになるのか？
個人的にはイエスだと思う。だって名前を与えられた便器や「ファクトリー」で作られたものも我々は「アート」として受け入れてきたのだから。
しかし自身から切り離さないとならない臓器をアートとして昇華させることに悦びは発生するのだろうか？
プラスチックをも溶かす消化器官を産んだことを知ったソールが流した涙…そこには確かに生きることへの悦びが含まれているように見えた。
生きていくことが悦びであって、「アート」と認められながらも不要な臓器を産み出すことに悦びは生じ得ない。身体はどんなに進化しても現実であって、まるで幻想のようなアートを産むものではない。
クローネンバーグの他の作品も観たくなりました。