ころすけ

クライムズ・オブ・ザ・フューチャーのころすけのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

「ヒトの進化に誤ちはあるのだろうか?」

悪化する環境に適応し続けた人類はついに痛みの感覚さえ持たない。娯楽の次元は我々の想像の及ばない過激さへ、体内で生み出した新種の臓器を摘出する手術パフォーマンスが大人気。作中の言葉を借りるなら公開セックス。痛みがなければ性欲消化の果てにはそうなるのかもしれないね。

基本クールでアーティスティックなんだけど、
ヴィゴ「それほど小さくなかった」
レア「おおきな男の子の臓器よ!」
みたいな、なんだこのシュールな世界観は?!っていうw
あとライフフォームウェア社のベッドやイスが奇妙すぎて「そりゃあ寝心地も食後の喉の通りも悪かろう…」と思う、H・R・ギーガーみたいなデザイン
まぁ、そこまでアシストがないと生活がままならない人類の進化(退化では?!)の果てなのだろう。

ソールらは
生まれた臓器へタトゥーを施し摘出、内なる美を表現する。加速進化症候群へ抗う、(腫瘍の摘出)人生をかけたアート。

プラスチック消化器官を持って生まれた子の父ラングら
人類の進化を、人工物の消化器官を持つことに見出した。進化の受け入れを主張。自然の流れに身を委ねるといいつつ人工物を自身らには植え付ける矛盾…。それを死んだ我が子を使ってでも世間の注目を得ようとするとは…。未来のテロリストですこれ。

子供の体内は既に体制の手が加わっていたので世間的には哀れにも殺害された上に遺体を辱められたという印象操作。

体制と反体制の戦い。ヒトの進化が果てまで行っても争いは絶えないな。でも体制側はもはや抑圧し過ぎでは?

ラストの考察は分かれそう。果たして進化を制御することに意味はあるのだろうか?
ころすけ

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