イランの聖地マシュハドで実際に起きた娼婦連続殺人事件を題材にしたスリラー映画。
連続殺人犯とそれを追う女性ジャーナリストの視点を行き来しつつ、イランに文化的に根を張る女性蔑視、女性嫌悪を強烈に批判した作品。
次々と女性たちを手にかけていく殺人犯の生々しく残虐な描写もさることながら、警察をはじめとした一般の人々にも根深い女性蔑視の描写の数々に現実を突きつけられます。
北欧における「女性を憎む男たち」を描いた『ミレニアム』シリーズも思い起こされます。
ラストのシーンには決して一朝一夕では解消されない、問題の根深さがまざまざと見せつけられ、(褒め言葉ですが)最悪の読後感を残します。
男性として、自分自身と向き合うために、目を背けてはいけない作品と思いました。