たまちゃん

聖地には蜘蛛が巣を張るのたまちゃんのレビュー・感想・評価

聖地には蜘蛛が巣を張る(2022年製作の映画)
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あの「ボーダー」の監督作品ということで、観る前からちょっとドキドキ。
あの不思議な世界観に入っていけるかな

聖地アシュハドで起きる娼婦連続殺人事件
街を害する者たちの駆除、のような扱いの中で、女性ジャーナリストラヒミが、圧力を受けながらも危険を顧みず取材を進めていく

イスラム社会のことをほぼ知らない。無知で恥ずかしい。唯一の絶対神アッラーを崇拝し、厳しい戒律があることくらいしかわからない。
まずなぜ街にこんなに売春婦がいるの?
神は救ってくれないの?
アッラーを侮辱しているわけでは無いです。
「沈黙」でも神は答えてくれなかったものね。
売春婦を忌み嫌うのではなく、神にさえ救済してもらえない弱者を、神の教えに基づいてより良い社会にするために自分達が救う、という発想にはならないんだね。

ラヒミの過去の出来事が明らかになり、彼女が男社会の中で打ちのめされている事がわかる。
売春婦達も男達に軽んじられて虐げられている。

てっきり犯人が捕まるところで終わかと思っていたら、その後がまた恐ろしい
平然と自分の無実を訴えるサイード。
売春婦達を蔑み、夫を正当化する妻
一番恐ろしいのは子供が父親を英雄視している
カメラの前で父親から聞いた殺人の様子を再現する子供。

一つわからなかったのは、鞭打ちはやっているように見せかけていたのに、死刑は実際に行われたこと。
そこまでするなら、そこの一部分だけを見せかける必要あったの?
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