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聖地には蜘蛛が巣を張るのozpのレビュー・感想・評価

聖地には蜘蛛が巣を張る(2022年製作の映画)
3.7
「娼婦を殺すことで聖地が浄化される」という感覚はイスラム教の倫理観やマシュハドが彼らにとってどういう場所なのかが根底にあると思うのでとやかく言うことはできないけど、ミソジニーを中心とする諸問題はどの国も共通して存在しており、そういった批判も孕んでいると感じた。同時に時代も違うしフィクションでもあるので、イランという国はこういう国なんだと決めつけるのも安直ではある。殺した対象が批判される側の人間だった場合、総じて殺しを是とする勢力が現れるのが常だけど、ラストの息子のシーンのように、今回サイードを死刑にしたところで思想や行動が伝播していくあたり、社会が変わらないと終わらないのだと思う。
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