シェアハウスで暮らしアプリ開発で一攫千金を狙う4人の男女が、ある日屋根裏で謎の鏡を発見し、時間の流れが180倍違うパラレルワールドとの行き来が可能になり、その世界を自分たちの欲望を叶えるために利用しようと画策する物語。
パラレルワールドの発見、そのルール検証、そしてそれぞれの欲望と願望の成就、その行く末…と、
SF好きにとってなかなかワクワクさせられる導入と、そこから各登場人物を通して人間の欲深さや業などが炙り出されるサスペンス的展開が上手くマッチしていて、
話がどう転んでどう着地するかの読めなさも含めて、思った以上に楽しめました。
また並行世界や多次元という題材をうまく扱い切れず尻すぼんだとしてもなんらおかしくなかったですが、
嬉しい誤算でそんなことはなく、
人間の底知れぬ「欲」を軸に据えて最後までしっかり駆け抜けてくれたので、個人的には良SFサスペンスだったなと思います。
