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冬子の夏のmegurosのネタバレレビュー・内容・結末

冬子の夏(2022年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

ショートショート フィルムフェスティバル & アジア(SSFF & ASIA)出品作。高校3年の夏を迎えても何をしたいか見つからずにイライラする冬子は、美術部の友人であるノエルと“無駄なこと”であり“暑さも吹っ飛ぶくらい寒いこと”として、美術部らしく絵を描きに出かける。

出会いの瞬間(美術部の入部説明会)における冬子を”そっぽむく輝くひまわり”として表現するその展開が素晴らしかった。だからこそなのだが、冬子の焦燥を描くことに時間を割くよりも、ノエルからの思いだったり、冬子がそれに気付いてからの2人の友情の行方まで見られたらもっと見たかった。

しかしもし仮に、冬子にとって夏が天敵の時期であるならば、冬子の焦燥にフォーカスを当てるのも映画として今回は妥当なのかもしれない。しかしもしそうなのであれば、”冬子の冬”への期待を覗かせる終わり方を期待してしまう(撮影風景をメタに見せるのが良かったのだろうか)

※”ノエル”もフランス語ではクリスマス時期を指すため冬。ノエルは夏でも調子良いのか...ところはやや引っかかる。似たもの同士が良かったのか、補う関係として名前的にも配置するのが良かったか。

音楽はgalcidと齋藤久師さんご夫婦が良い仕事。美術部の説明をしている先輩が、セリフだけだったが、いい役者のような声だった(もっと見たかった)。タイムマシーン3号 関も先生として出演。
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