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あちらにいる鬼のmakoのレビュー・感想・評価

あちらにいる鬼(2022年製作の映画)
3.9
《愛という言葉を持ち出せば、すべてが許されるのだろうか。》
◎78点

瀬戸内寂聴、井上光晴、そしてその妻。
実在した人物をモデルに、男女3人の特別な関係を井上夫妻の長女である作家・井上荒野が綴った小説の映画化。
原作小説は未読。

瀬戸内寂聴さんは、2021年11月9日、満99歳で波乱の人生を閉じた。
彼女が出家を決意させたのは、同業者で妻子ある井上光晴との7年にも及ぶ道ならぬ恋だった。
本作では出会いから出家に至る経緯が描かれています。

ちなみに、寂聴さんの小説は出家前もその後も読んでません😅
私が知ってるのは、子どもを置いて浮気相手と家を出たということ。その後出家されたということ。
出家を決断した背景は知らなかったので、本作観て驚きました。

この3人の誰にも共感できなかったです。
特に長内みはる(寂聴・寺島しのぶ)と白木篤郎(光晴・豊川悦司)は自分勝手すぎた。
白木の妻・笙子(広末涼子)は耐えすぎで、それでも離婚しないのが私には理解できなかった。
白木篤郎の女癖の悪さによく耐えられるな。私なら無理。
愛していたのか、それとも母のような心持ちだったのか。

男は強そうに見えるけど、内面は案外弱く脆い。
女は弱そうに見えるけど、内面は強かで決断力がある。

登場人物に感情移入はできなかったけど、悪くなかった。
3人の心情が丁寧に描かれていたし、映像も良かった。


白木篤郎を演じた豊川悦司さん、色気と魅力があって役に合ってた。

長内みはる役の寺島しのぶさんは実際に剃髪されてるし、ベッドシーンもあって本作も身体を張っての演技、素晴らしかったです。

笙子役の広末涼子さんは、耐える妻、強かさを持った妻を好演してました。いい演技でした。


【雑談】
『土を喰らう12ヵ月』の後に『ブラックパンサー』を観ることになってました。IMAX3Dでシアター内にも入って上映したものの、あれ?なんだか映像がおかしい。映像が浮き上がってこないな、と思ってたら前の席の人が席を立って。後で気づいたけど、その人がスタッフに不調を言いに行ったようでした。
機材トラブルで上映中止に。
払い戻ししてもらい、ミニポスターは返却しなくてよくて、映画鑑賞券も貰いました。私はこれで良かったけど、外国人のお客さんが倉敷から来てらしたようでスタッフに納得いかない旨を伝えてました。そりゃそうだよね。時間作ってわざわざ隣県から来てるのに上映中止って。その後どうなったのか。
で、私はちょうど始まる前の本作があったので観ることにしました。鑑賞予定にしていたので結果オーライでした😊




メモ✍️
3人は同じ墓地に眠っているそうです。



観客 15人くらい
劇場鑑賞 #126
2022 #139
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