ハル

ゴールデンカムイのハルのレビュー・感想・評価

ゴールデンカムイ(2024年製作の映画)
3.7
完成披露試写会にて、原作未読。
言わずとしれた、大ヒット作品の映像化。
明治の時代、北海道のゴールドラッシュを背景に、一攫千金を狙った猛者たちが血みどろのバトルロイヤルを繰り広げる物語。

どこに金があるのか、誰が仲間で誰が敵なのか、ジャンルの枠組みに縛られず複合的、多面的に様々な要素を盛り込んでいるのが特徴。
『一点突破』というよりも、エンタメ感満載な仕上がり!
その上で各要素を深堀りしていて、アクションから文化、“アイヌの歴史”にミステリー。
さらにはコメディやグルメ要素まで内包され、“北海道”を強く感じられるのが良き。

今作、主演は山﨑賢人ということで『キングダム』に続き、またしても。
超有名原作の実写化にはこの人あり。
「また、山﨑賢人かよ?」って言われることも多いけれど、それだけの理由があるんだよね。
180センチの長身にアクションシーンもこなせ、芝居もできる(アメリカやオランダは平均身長で180センチを超えているのに、日本人は180センチ以上が7%程度しかいないため、いかに貴重な存在かわかる)
ポリバレントな能力の高さが際立つ役者。
劇中の戦闘シーンも工夫して作り込まれていたが、最も目を引かれたのは風呂場での身体の仕上がり具合。
どれだけ過酷なトレーニングをこなしてきたの?と言わんばかりの鋼鉄の肉体。
バキバキの韓流レベル。
本人談によると、“不死身の杉元”に合わせて10キロ程度増量し、太い筋肉をつけてきたそう。
役へのリスペクト、彼の信念の確かさを感じられるワンカットに思えた。

他にも山田杏奈、玉木宏、眞栄田郷敦など、みんなそれぞれのキャラクターへ的確にアプローチしていて、原作未読でも登場人物のクセや特徴がよくわかる。
漫画原作の場合、ここが緩いと一気に興味を削がれてしまうし、大ヒット作を扱う上での練り込み方に役者陣、制作陣の熱き思いが滲んでいた。

原作の長さを考えるとあくまで序章としての位置づけになってしまうのは仕方ないため、今後の展開に期待したいシリーズ。
しかし、『キングダム』もまだまだだし『ゴールデンカムイ』もこれから…山崎賢人も大変だね。
乖離していく実年齢問題の壁…どうなるのかな。

最後に少し付け足すと、新選組の存在や日露戦争の模様が流されたり、当時の情勢が扱われているので、歴史に造詣があるとより楽しめるはずです。
また、原作を読んでいる方からするとキャラクターの完成度の高さは間違いないらしく、相互補完しながら見てみると一味違った感想になると思います。

〜舞台挨拶〜
東京国際フォーラムで行われた舞台挨拶付きの完成披露試写会。
5000人規模の舞台挨拶は滅多にないため、ラグジュアリーさと綺羅びやかさに包まれ、高揚感に満たされた。
“大規模邦画エンターテインメント!”の雰囲気が会場中から漂う。
そして、ACIDMANのノリノリの楽曲に合わせて、登壇する面々。
圧巻だったのは山﨑賢人、玉木宏、眞栄田郷敦らのスタイルの良さ。
言葉を並べるよりも…純粋にめちゃくちゃスマートで格好良い。
“格好良さの暴力じゃん”
一目見れば、吸い込まれるほどのオーラを放っていた。
特に山﨑賢人は桁違い。
厳重な身分証明書のチェックから始まり、『ゴールデンカムイ』一色に染められ、考えつくされた空間。
素敵な時間、貴重な経験に感謝。
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