Breminger

ゴールデンカムイのBremingerのネタバレレビュー・内容・結末

ゴールデンカムイ(2024年製作の映画)
4.6

このレビューはネタバレを含みます

実写化という情報が入ってきたタイミングで原作を読んでいたのでタイムリーだなぁというのと同時に、これ実写化相当大変だろうなと思って過ごしていましたが、実写化お任せのザキヤマにキングダムの制作チームが携わっており、予告編での映像もクオリティが高いときたので期待して劇場へ向かいました。

いやはや…クオリティは高いですし、原作に忠実ですし、実写化の良さも出ていましたし、これは当たりの実写化だなと思いました。

北海道の雪山で極寒の中の撮影という中々にクレイジーな撮影背景がありますが、このリアルへのこだわりが今作の面白さを加速させていったんだなと思いました。
雪山でのヒグマとの戦闘で、顔ごと剥ぎ取られるという残虐描写、寒空の下で池に飛び込むえげつない様子や地形を利用したアクションだったり、奇襲を仕掛けたり真っ向勝負だったり、雪山というフィールドを活かしたものが多く観れて最高でした。

ギャグもしっかりと差し込まれており、主にうんこですが、味噌をうんこと勘違いして拒絶反応を示しまくるアシリパの行動と表情、お婆ちゃんが首にいる守り神にうんこを備えてるみたいな勘違いがギャグに繋がっていて笑いっぱなしでした。
白石が緊張感のあるシーンの中に笑いを入れてくれるので、完全にシリアスにならないバランスも見事でした。

飯テロ要素もかなり強く、アイヌの料理はどれもこれも美味しそうですし、寒空の下で食べる温かい料理を頬張る姿には観ているこちらも食欲を誘われました。
肉こそ人間の健康に繋がる!と映像越しで強く言われたような気がしたので、この日は唐揚げを頬張りました。

キャラクターの再現度が素晴らしく、単なるコスプレに成り下がらずに、しっかりキャラクターに憑依していたのが最高でした。
ザキヤマはポンとザキヤマ本人に戻るところもありましたが、しっかり杉元になっていましたし、猪突猛進なところや冷静になる部分、少し抜けている部分だったりと、杉元をこれでもかってくらい演じ切っていて良かったです。多くのキャラクターを演じてきたからこその円熟味が出てきたんだなぁと思いました。
山田杏奈さんのアシリパの勇敢さとこれまた抜けているところ、変顔だったりの再現度がこれまた素晴らしく、ベストな配役でした。
矢本くんの白石なんか漫画からそのまんま飛び出してきたんじゃいかってくらいまんまで、あのひょうきんさを演じ切った矢本くん、ヌッルヌルになって体を張ったところも観れて爆笑させられました。
鶴見を演じた玉木さんの前頭葉ぶっ壊れっぷりもこれまたイカしていて、正常な判断をする時としない時の振れ幅が異常で、彼が出てくるシーンはゾクゾクさせられっぱなしでした。
ラスボスの風格をこれでもかってくらい醸し出していた土方は館さん以外ありえないんじゃないかってくらいのハマりっぷりで、その存在感には口角を上げざるを得ませんでした。
端から端まで個性の強いキャラクターを手中に収めて映画になっていたのは、役者陣の並々ならぬ憑依っぷりにワクワクさせられっぱなしでした。

惜しかったのはどうしても序盤も序盤なので、敵キャラはそこまで出てきませんし、アクションもあまり多くないところでした。それでも早く続編を観させてくれ!と思うくらいには焦らしてくれました。
まだ正式に決まってはいませんが、あそこまで顔出ししてくれてるんなら期待せずにはいられません。なんとか大ヒットに繋がってくれ〜!
Breminger

Breminger