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ゴールデンカムイのプレコップのレビュー・感想・評価

ゴールデンカムイ(2024年製作の映画)
2.9
配役の妙、原作の再現=良い映画ではないです

今作はアイヌの文化をしっかりとエンターテイメントに落とし込んでいる。子どもにわざと汚い名前をつけるならわしなど興味深いことも多かった。

しかし、色々な情報をあまりに丁寧に伝えすぎていて、演出としては無粋に見える瞬間がある。問題なのはテロップで、人物名や地名の紹介は全然楽しいが、セリフでもうすでに伝えきっているアイヌの言葉の説明や、当時の貨幣を現代の価値に換算した補足情報は過剰だった。また、武器や食べものなどの説明はまるでRPGのチュートリアルみたいに形式的になってしまっている。

映画館で観るとその真価がわかりやすく伝わるアクションシーンについて。オープニングの地形を生かして一人で多勢を倒す戦争パートや動物と共に戦うところは「RRR」、束縛椅子からの逆転は「イコライザー3」、馬車での格闘は「インディージョーンズ」シリーズなどを想起させる。が、正直、今作のアクションはそれらの海外作品ほどのレベルに達してはいないのが残念。また、あまり血の流れない戦場シーンは微妙だったが、その後にいくつかあるゴア描写は全年齢対象の中ではなかなか攻めていてよかった。

ストーリーは前半はテンポ良く進んでいて、それなりに楽しめたものの後半から停滞。続編を目論むラスト周辺は冗長で、かなり肩透かしだった。

良かったところは、顔面ドアップの迫力。ちゃんと汚く表現されている登場人物たちの顔は汗や泥、傷までがきちんと伝わっていて見応えあった。

ベストおかわり賞は
【「俺は不死身の杉元だ!!」からの北海道の真冬の川突っ込み】
でした。ここはかなり笑った。
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