つき

ゴールデンカムイのつきのネタバレレビュー・内容・結末

ゴールデンカムイ(2024年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

原作もアニメも見ての鑑賞。
本当は初日に見たかったけれど月曜になってしまって、評価が低かったらちょっといくの躊躇ってしまうかもなぁ、と思ったら逆に評価高くてより躊躇ってしまう気持ちが湧いた。
でも勢いで観に行く。

主演の山崎さんは、本当にすごいと思う。最初の頃の、少女漫画の王子様をあれもこれも演じ、その後は漫画の実写と言えば必ずなくらい主演で出ていて、もういいよとか、またなんだな、なんて思っていたときも正直ありました。でも、本当にただ一心に、真摯に役に向き合ってこられた人なんだな、というのがここ数年でとても感じるようになった。
そしてこの映画でそれが突き抜けて感じられた。杉元というひとの底辺にあるひととしてのあたたかさが、戦争という場所でずたずたに傷つけられ、それでも正しいことをしているひとたちを誠心誠意守りたいと願う。そんな彼の在り方が、とても伝わる目をしていました。
アシリパちゃんも、白石も、予告でもすごい!と思ったけれどそれを飛び越えてさらに良かった。

この物語は、ずっとアイヌを取り上げていることで(私が知らないだけでもっと火種はあったのかもしれないけれど)何度も火を上げていたけれど、それに対していつも私は何とも言えない気持ちで見てただけでした。
私は、文化というものが誰にも何にも残されず消えていくことというのは、本当にその人たちが消えてしまうことになるのじゃないかと思います。それがさまざまに今に新しい興味を呼び込めたことは、無駄ではなかったではないかと思います。それに悲しんでいる人がいるのを聞くと、それはどうしてなのか話がしたいなあと。
そしてそういう現実の問題とはまた別のこととして、何よりこの漫画がとても面白いと、私は感じているのだ、と映画を見ながら考えました。
彼らは、主人公たちも、そのまわりのさまざまな人たちも、善でも邪でもなく、ただそれを求める人には確かに大切なことだったというものを背骨に生きている。そのことがいい。そんなひとたちが、それぞれに芯を打ち合うことで生き抜いていく。それに感動してしまう物語を生むのが原作だったのです。そしてそれは映画でも感じました。
映画館で観られたことがよかった映画でした。
つき

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