ぶたぶー

ゴールデンカムイのぶたぶーのレビュー・感想・評価

ゴールデンカムイ(2024年製作の映画)
4.5
すごく出来がいい。
冒頭の戦争のシーンは普通に戦争映画のクオリティって感じだった。何となくの合戦感だけじゃなくてちゃんと敵味方が描かれてた。
多分ここをちゃんと描写しないと鶴見中尉に着いてくる人間たちのモチベが分かりにくいからかも。あと杉元の過去も。
そして北海道の景色。白すぎる山に黒い木が無数に生えてる、ネガポジ反転したみたいな圧巻の空撮だった。
またその山々だけじゃなく、砂金取りの河原やコタンへの道中など、一面の雪景色と自然がとても魅力的だった。

原作は本当に魅力的で最高の漫画だったけど、全く同じように進むとアイヌ文化のいろいろなエピソードがたくさん入って話が進まなくなっちゃうから、杉元が見て体験する範囲くらいで説明は収まってたけど、それでもとても魅力的にアイヌ文化が映っていた。

途中までめちゃくちゃ集中して見れた。あのドリンク氷シャカシャカマラカス男に邪魔されるまでは…(隣にいた知らん客 特に映画とは関係ない)

とにかく、実写化の宿命である『なんか急に現実に引き戻される』みたいな現象が全然起きなかった。
まず杉元の山崎賢人がすごい。ヒョロっとした柔和なイメージがあったけど、その柔和さは杉元のそれでありながら、アクションで杉元としての説得力を上げてきた。あと顔が良い。
アシ(リ)パさんの山田杏奈も、きちんと自立した女の子であるアシ(リ)パさんであり、頼もしいキャラクターとして見ることができた。食事シーンの表情もキャラクターと合っているし、やはり実写でアイヌに伝わる所作をしていると、文化としてのリアリティが伝わった。
あと少女時代の子役の演技も良かった。あの泣き声は鳥肌たった。悲しすぎて。
白石もまさに白石といった感じで特に雪山で逃げるところはらしさ全開だった。
玉木宏の鶴見中尉は凄すぎる。ビジュアル見た瞬間から『本物だ…』とは思っていたけれど、表情作り、特に笑顔が鶴見中尉のそれだった。
そしてまさかの月島軍曹、めちゃ月島軍曹だった。あのキャラクターデザインが実写になれるの?と思ってたけど、動くとマジで月島軍曹だった。でも背が高い。
二階堂兄弟もすごい。まず顔がまんま二階堂兄弟。表情も。そり上のアクションもすごかった。
あとオソマ役の子。すごく良い。もっと見たい。

他にも書ききれないけど、とにかくコスプレに感じる隙間がない。素人でも気づくような雑音がない。おもしろかった。

このクオリティで続きは作られるのだろうか。なんか最後にめちゃくちゃ見知ったキャラの実写版が映っていたけども。

ナレーションがツダケンで『ちょっとテンションの高い尾形!?』となった。

後日談:たまに映画の内容がフラッシュバックしてくるんだけど、ギャグ要素8割うんこじゃなかった???私の印象に強く残ってるだけ?でも下品すぎず幅広くジェンダーレスにウケる感あるし、シンプルに自分にはツボだったのでかなり好きだったな。