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ゴールデンカムイのせっのレビュー・感想・評価

ゴールデンカムイ(2024年製作の映画)
3.9

日露戦争後、再び北海道に戻ってきた"不死身の男"杉元がアイヌの隠された金塊の存在を知り、アイヌ民族の少女アシリパと共に金塊探しの旅に出る話。

舞台が戦後で、杉本以外に金塊を狙う男達の軍団が、戦争に行ったのに何も得られず生き残ってしまった戦争の亡霊のような陸軍と、さらに時代を遡り半ば老害も甚だしい幕末の亡霊土方歳三軍団。杉元自身も戦争で失った友と獣のように人を殺してきたことを引きずる戦後(とアフターコロナ)の亡霊。

その亡霊達が、あるのかないのかも分からない、もしかしたら幻想かもしれない金塊を、戦地に舞い戻って探し求め争い合っていて、熱いアクションが沢山あるのに核心部分に虚無を感じた。人って金が欲しいとか権力を手にしたいとか色々理由をつけて戦うけど、根本は自分の中の虚無がゆえに戦ってるんじゃないかなぁとしみじみ思った。絶対そんなことをしみじみ考える映画じゃないけど(笑)

個人的にこの映画の見所はアクションよりクマと食事だと思う。クマがCGでしっかりしてたのめっちゃ良かったし、あれだけで映画館見に行く価値ある。後ブレークタイムに挟まれるグルメ番組並みのご飯のインサートと孤独のグルメのような食レポ笑った。私は鍋よりも小樽名物って言ってたみたらし団子が1番美味しそうだった。汚い机に擦り付けた後ですら美味しそうだった(笑)

1つ苦手だった所は、原作は読んだことないけど忠実に再現したんだろうなぁっていうコメディシーン。杉元達が川に落ちてガタガタしてる所とか、もろアニメっぽい動きとセリフの感じが、そのシーンまで割と映画のトーンだっただけにガックリきちゃった。1つの映画として独立させるんじゃなくて、漫画の実写映画感が強かった。
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