らんら

ゴールデンカムイのらんらのレビュー・感想・評価

ゴールデンカムイ(2024年製作の映画)
3.7
漫画の実写化としては完璧に近い。

時代劇として観ると、派手すぎるし演出も臭くて個人的にはもう少し渋さが欲しかったけど、その分漫画の世界観と雰囲気を忠実に再現してるので良かったです。

冒頭の203高地の戦争シーンは、予想を上回る完成度でびっくりでした。
アクションシーンは動きもカメラワークもすごく良くて感動。

シリアスシーンとギャグシーンの調和も上手くて好きでした。

キャストも皆かなりハマり役だったと思います。特にフチ役の方は、もう原作から連れてきたんかってくらい再現度高くてどこで見つけてきたのかとても気になります。

アシㇼパを演じた山田杏奈は成人女性なので原作の幼い雰囲気を出せるか微妙なところでしたが、身長は高いものの童顔なためそこまで違和感はありませんでした。映画終盤になると、山田杏奈以外にアシㇼパを演じられる役者は居ないかもなと思わされます。

主役を演じた山崎賢人は役作りにストイックで演技もしっかり上手いので、ちゃんと「杉元佐一」のキャラクターに合わせてきていました。
この方、何故か毎回役者イメージと合わない配役をされるだけで、演技は上手いんですよね。なので「イケメン売りの俳優」と言われ過小評価されがちですが、偶にハマり役を演じると本来の魅力が発揮されている印象。
配役次第ではいつかヒース・レジャー的な感じで化ける気がするんですけど…

でも仕事人なので当てられた役はちゃんとこなしています。
今回も、役者イメージとはあまり合っていないキャラクターなのにちゃんと「杉元佐一」になっていて驚かされました。

多分この映画シリーズが続いていくにつれてどんどん杉元佐一になっていくような気がします。

そして私が最も楽しみにしていた土方歳三。

最早実写で存在する土方歳三を見たいがために、この映画を観に行ったと言っても過言では無いのですが。もう凄く良かった。

舘ひろしって歳取ってよりかっこよくなってません??線が太すぎず、危うさとお洒落さがあって、かつ年を重ねた渋さもある。
ゴールデンカムイの「土方歳三」をここまで再現できるのこの方くらいでしょう。
もう2時間土方歳三だけ観ていたいくらいかっこよかった…

個人的に気になった部分は
音楽が大袈裟でうるさい。
キャラクター名のテキスト、字幕のフォントがチープ。くらいです。

エンタメ作品としてとても楽しめました。
全体的にかなり丁寧に描いてくれているので物語の進みは遅いんですけど全然良いです。シリーズ化してどんどん続編作ってください。
らんら

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