KOTAYOSHIDA

ゴールデンカムイのKOTAYOSHIDAのレビュー・感想・評価

ゴールデンカムイ(2024年製作の映画)
3.3
日本映画の漫画実写化作品で「頑張っているな」という感想をよく抱くが、本作もまた「頑張っているな」という感想を抱く作品だった。頑張ってる。頑張ってるんだけど...。

やっぱね~ルックなんですよ。ルックが良くない。良くないというか邦画的。のっぺりしてる。『レヴェナント: 蘇えりし者』に類似した、もしくはリファレンスにしたショットが多いんですが、まぁ~画面の強度が余りにも弱い。雑に言ってしまうと画面がずっとカッコよくない。韓国映画と比べてもそうだけどルックのダサさは邦画の課題だと思う。改めてそう思いました。

後ね、演技が邦画的。クサい。演技っぽい。これも邦画の課題だと思います。賢人さんが同じく主演を務める『キングダム』は時代劇なので(本作もある意味で時代劇ですが)ある意味でカリカチュアされたクサい演技がハマっていましたが本作ではそこまで上手くいっていなかった印象。あと本作も言ってしまえば顔相撲の作品でしたが、もっと他に無かったものか。ちなみに『キングダム』も顔相撲映画でしたが上手くいってました。時代背景と原作のタッチの「濃さ」との相性が良かったんだと思います。

とは言えアクションは良かった。冒頭の戦争のシーンとかめちゃくちゃ良いじゃん!と思います。ですがそれ以降目立った戦闘シーンは無く、何部作になる感じだろうからある意味で導入的な1作目という感じでこの仕上がりなのか・・・とは思いつつ。

漫画原作の映画あるあるとして「再現度」みたいなものが先ず第一に取沙汰されますが、個人的にそこまで重要とは思えず、映画として面白いかどうかが重要では、原作ファンに気を遣い過ぎているのではないか、これはまぁ原作の実写化が抱える永遠の課題だとは思いますが、そろそろ「映画としての面白さ」をメインで考えないと邦画の未来は無いのではないかと思いますね。正直『レヴェナント: 蘇えりし者』をリファレンスにするのであれば、コメディシーンとかは全カットでシリアスなスリラーアクションに振り切った方が良かったのではと思う。そういう映画が撮れる監督が日本にいると言えば微妙ですが。

ただ玉木宏は良かった。顔相撲映画、キャラ映画として玉木宏の演技は素晴らしく良かったです。当たり障りのない映画にハンサム枠として出ていた印象なので。玉木宏最高!
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