“俺は不死身の杉元だぁーーー!!!”
これは原作がむちゃくちゃ面白いんだろうなと思います。
舞台は明治後期の北海道。
アイヌ民族から強奪された莫大な金塊を巡り、主人公の杉元と、彼と行動を共にするアイヌ民族のアシリパ、大日本帝国陸軍第七師団、そして戊辰戦争で戦死したと思われていた新選組副長・土方歳三、彼らの三つ巴のバトルが繰り広げられる...というお話。
思いのほかコメディパートが多めで、もっとバチバチのバトルを想像していた私は少しだけ物足りなさも感じたけれど、主人公の杉元とアシリパの出会い、それぞれが背負う想いやその関係性はすごく好きでした。
金塊を見つけるために手を組み、行動を共にする2人。
それぞれの過去や背負っているものは違えど、大切な人のために、その想いを果たすために金塊を手に入れるという強い思いは同じ。
その想いが共鳴し合って運命的に出会い、共に歩んでいく2人がすごく良かった。
こういう関係、例えばキングダム(これも山﨑賢人くんだけど)の信と羌瘣しかり、M:Iのイーサンとイルサしかり、私本当に好きなんですよね。
男と女だからって恋や愛である必要もなく、でも誰よりも深い絆と信頼関係で結ばれ、互いが窮地に陥った時には真っ先に駆けつける。
今回の杉元とアシリパにもそういうところがあって、金塊をめぐる攻防も良かったけれど、それより何よりこの2人の関係性が一番ぐっときました。
あとは、アシリパがアイヌ民族とのことで、アイヌの文化や精神性、その暮らしについて少しだけ触れることができたのも良かった。
そして、曲者揃いの登場人物。
原作を知らないのでどこまで近づけているかはよくわからないけど、杉元役の山崎賢人くん、さすが実写映画請負人だけあってすごく魅力的。
力強さと大胆さに上品さみたいなものが見え隠れしていて、そのバランスも良き(これは山崎賢人くんだからこそなのかな?)
そして、顔の傷が私の性癖に刺さる...
隻眼、眼帯、オッドアイ、顔の傷。こういうのに私はめっぽう弱い。
アシリパ役の山田杏奈 ちゃんの透明感も◎
あの青い瞳が白い雪に映えてすごく美しかった。
一番面白かったのは玉木宏 。
あの団子のくだりとか笑いをこらえるの必死だったんですけど(笑) 原作もあんな感じなのかな?どのキャラクターよりも癖が強くてしつこすぎるところが面白かったです。
途中、少しテンポの悪さを感じたものの総じて楽しめた。続くとは思っていたけど、何ならまだ本格的なバトルも始まっていないくらいなのかな?
ここからどういう展開になっていくのか気になるので、続編も楽しみです。