夜行列車に乗ったカリート

ゴールデンカムイの夜行列車に乗ったカリートのレビュー・感想・評価

ゴールデンカムイ(2024年製作の映画)
2.8
山﨑賢人主演。北海道アイヌ文化を軸とした金塊争奪活劇。
驚いたことに割りと面白い。

日露戦争で生き残った杉本は、ある男からアイヌが隠した金塊の話を聞く。捜索中そのアイヌの子・アシリパと出会いながら、事態は陸軍・囚人たちを巻き込んだ三つ巴の争奪戦となる…。

友人と会うのに「じゃ映画でも見るかー」となって、ちょうど良い時間帯にやってた映画がこれ。友人共々「漫画原作の実写か…」「また山﨑賢人か…」という不安が否応なしにあり、アビリーンのパラドクス状態になるつもりで観賞。
冒頭主人公が「俺は不死身の杉本だぁ!」とカメラ目線で叫んだり、砂金採りの川で酒飲みおっさんが突然横にいたりして、「これは寝落ちも覚悟をせねば」と思いました。

しかし観賞後…、想定外に面白かった。

まず設定が実写向きですね。日露戦争後の北海道というロケーションが絶妙で、金塊を奪い合う…という単純かつ広がりを持てる下地が、漫画の実写映画にありがちな「不可思議SF感」を生まない作品づくりに貢献しています。
また起承転結が明確で、物語の軸がぶれない一貫した流れで最後まで見ることが出来ます。この辺の構成は上手い。

ただし、キャラクターは漫画掛かった人物が散見した印象で、風貌や台詞回しが大味でした。この部分は原作ファンへの配慮等があるので仕方ない点だったかと思いますが、せっかく良い舞台設定なので、原作をちょっと曲げてでも重厚な現実路線にして良かったとも思います。

熊や狼のCGっぽさも少し気になるし、杉本とアシリパが初めて会って、すんなりバディを組むのも少し強引気がある。森で少女に会ったら「おじょーさんお逃げなさい」でしょ。まぁ助けられてるんだけども。

まぁ色々と気にはなるんですが、見やすいエンタメ映画になってます。映画館で見ても良いと思います。