90年代香港で大ロングランを果たした、伝説の爆笑コメディ！レオン・カーファイ、マギー・シュウ主演、ジェフ・ラウ監督作品。

脚本家のウォンは、親友のキュンと共に殺人事件を目撃してしまう。ごまかそうと伝説の義賊黒薔薇のサインを残したせいで、犯罪組織と黒薔薇両方から追われることになる...。

いつもは、『愛人ラマン』など2枚目の役が多いレオン・カーファイが、とことんバカ演技を見せてくれる作品で、見事今作で香港金像奨で最優秀主演男優賞を獲得！

香港映画でお馴染みの『ハードボイルド』のテレサ・モウも女を捨てるバカ演技が炸裂！
劇中唐突にミュージカルになったり、『風と共に去りぬ』や『デリカデッセン』、『ドラゴンボール』や『北斗の拳』のパロディまであったりと、これでもかこれでもかという笑いの波状攻撃！

ちなみに今作で怪盗黒薔薇を演じているのは、香港のシャーリー・テンプルと言われたファン・ボーボーで、今までのキャリアでは想像出来ないバカ演技を披露！

なお監督のジェフ・ラウは、今作で公開されても決して名を明かさず、公開当時誰が監督なのか、誰も分からず混乱を極めたというエピソードがあり、その後も脚本のクレジットは、変名である技安(ドラえもんのジャイアンの広東語名)を使っていたりと、全くシャレがキツい監督です。

その後もチャウ・シンチーの『チャイニーズ・オデッセイ』シリーズを監督したり、『恋する惑星』のプロデューサーとして、長年ウォン・カーウァイのバックアップをしたりと、かなりの才人。

90年代香港映画パワーの勢いを感じる作品であります！

①脚本豪腕度 80%
②ネタや背景の元ネタどんだけブチ込んでるの？度 90%
③いいぞ！もっとやれ！黒薔薇の姉妹登場後の作品の勢い 128%増

オモロかわいいなこれ♪原作とかあるんですかね？
香港連続上映記録も分かる気がする、全く侮り難い本作。島本和彦先生作品の熱量やノリが合う方なら、シアターをある種の爽快感をもって出て来れるのは確実ではないかと。テンション原理主義的作品として成立させた作り手のテクと情熱は相当ヤバい（笑）

キャラ立ちが変にツボで、中でも姉演じるマギー・シュウの、ベルを聞くと勝手に型を演じちゃうクセが好きだ！

歌もカンフーもありな香港産コメディ。一応ラブコメ？
ラストの爽やかさが凄いです。
それはさておき、とにかくレオン・カーファイが面白い。
「プリズン・オン・ファイアー」や「男たちの挽歌Ⅲ」のシリアスな演技から知ったので、「大英雄」「月夜の願い」と本作品を観ていくうちに、大分印象が変わってきました。
あんなにかっこいいのに、喋り方が面白くてかわいくて好き。
この演技で香港電影金像奨最優秀主演男優賞を獲ってるというのも面白い。香港は娯楽作でも評価されやすいのかな。