てっちゃん

鍵のてっちゃんのレビュー・感想・評価

(2022年製作の映画)
3.5
へ?観ている人少なくない?
私で記念すべき10人目!!

アダルトな作品なので、アダルトな表現があるのは当然なことなので、嫌悪感ある方は読まない方がいいです。

来週のお楽しみ作品がやるお初のミニシアターへ。
めちゃくちゃいいな、すごく好きな雰囲気。
チケットは道路に面してる券売所から買う。
隣から威勢の良い居酒屋の声が聞こえる中、上映をわくわく気味で待つ金曜の夜。

本作ラスト上映日だったのもあるけど、観客は4人。
そんな4人の方とNTRにいきます。

本作は谷崎潤一郎大先生の同名小説を現代風にアレンジしたもの。
奇しくもちょうど別作品ではあるが、大先生の御作を拝読しているときなので、なんという偶然なのか。
ちなみに大先生の博識すぎる文章と、文章力お化けなのと、何よりも美しすぎる言葉の数々、ほんで真骨頂の変態を言語化したような物語、、悶絶しながら読んでいる次第であります。
ちなみに本作原作は未読です。

私の悶絶度合いなど、どうでもよく本作を観た感想なりを。

冒頭で書いたとおり、本作はNTR作品です。
勃起薬を飲まないと若い妻と交わることができない大学教授(本作内では仕事をしている素振りが一切ない)の主人公が、妻の妹に紹介した教え子の大学生の男が妻と楽しそうに話しているのを見て異常に興奮し、勃起不全が治る。
しかし刺激はどんどん強いものを求めていき、、みたいな話。

だから物語の終着点は安易に予想できるし、おそらくはこうなるだろうということも、まあ予想はできる展開が続いていく。

この変態主人公を演じたのが、水澤紳吾さん。
水澤さんの演技が、もういっちゃってる。
顔芸の応酬。変態ここに極まれり!って感じ。
目と口をここまで動かせる人っているの?ってくらいやりきってる!
1人くすくす笑ってましたが、他の方達の笑い声は一切ない、いつものスタイル。

その妻を演じる桝田幸希さん。
彼女の色気がまあすごかった、、隠しきれてない色気と言いますか、根にある変態がきちんと見えてくるんだよな。
髪型とか変えるたびに、ころころ雰囲気も変わるし、大学生の男を演じる水石さんと会う度に、表情や仕草が変わっていくところも上手く演じておりました。

と他の役者さんたちが、それぞれの登場人物たちを内面から演じており、非常に好感が持てましたね。

本作は性的な目でみることが絶対な作品だと思うから、変態モードに切り替えて(真面目モード、お眠りモード、呆然モード、大興奮モードなどなどあります)挑んだ次第です。

所謂、本作は映画的な表現ではなくて、テレビドラマみたいな表現で進んでいくので、そこに最初は違和感を感じたけど、変態モード移行中はいつものうるさい小言は考えられないくらいに変態モードに没入しているので、小言は今回はなし!

、、なし!と思ったけど、束の間の賢者モードのときに感じたことは書かねばならぬと思ったので少し。
NTR作品なので、最後のどエロい絡みを期待するのは当然だと思うのです。

本作はその最後のどエロいところが拍子抜けだったんですね、、もちろんやることはやっているんだけど、そこに行き着くまでの焦らしも十分にやっているんだけど、たかが外れるその瞬間が、物足りなかったかな。

今まで散々焦らしてきたんだから、もっと野生的に絡みついて絡み合って欲しかったのもあるし、その瞬間のバン!って止められない求め合いがなかったし、カメラワークも弱腰だし、、変態モードで見ていたのもあるかもしれないけど、中折れ感は否めない。

ほんで最後のフィニッシュでは、くすくす笑いがくすくすでは済まなくなって、"ふふふ"と変態声で笑ってしまい、もちろん笑ったのは私だけだったので、は!と我に帰った次第です。

本作のテンションに切り替えて観られるようなら、気持ちの切り替えが大事かなと思った作品でした。

エロいの観た帰りの、家系ラーメンはいつもと違う味がしましたとさ。
てっちゃん

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