レイラ

人でなしの恋のレイラのレビュー・感想・評価

人でなしの恋(2022年製作の映画)
2.0
この映画、江戸川乱歩の原作という知識以外はなしで観た(95年版は観ていないので知らない)。
始まってすぐに感じたのは映画として、シーンの完成度に、ものすごく極端な差異があると感じた(夜のシーンでは、すべてあきらかに照明のライトをあてているのが分かる)。
セリフよりも大きな音量でかぶさる音楽には意図的とは感じられない。映画全体を通して映像の彩度が浅く、色が薄く色褪せたように画面のコントラストが悪い。
最初は、すべて意図的かと思ったが、単に観にくいだけでデジタル撮影の、この時代に色彩設計・音響設計が下手としか言いようがない。ようするにポストプロダクションが成っていない。
これだけで、興ざめの気分だったが中盤から、妻の京子の嫉妬心と猜疑心が狂気に向かうあたり、夫の浮気相手は・・・となるところから面白くなると思ったら・・・
あの結末は2022年の現代ではありえない。
夫の門野の性癖・嗜癖は隠さなくても特に驚くものでは、すでにない。じぶんで公言している人もいる。
また薬局で、あの茶色いガラス瓶の薬は、すでに買えない。というより存在しない。現代では、精神科で処方する薬でも、あれは起きない。そういう面で有りえないことが間違って描写されている。
現代での検証が甘いでは済まされない。
なぜなら自主製作映画ではなくお金を取って上映した劇場映画だからだ。
乱歩の原作がどうあれ、僕は興ざめだった。
レイラ

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