ジェイティー

ノック 終末の訪問者のジェイティーのレビュー・感想・評価

ノック 終末の訪問者(2023年製作の映画)
3.5
同性婚をしたエリックとアンドリューとその養子であるウェン達は休暇を森の中のキャビンで過ごしていた、ところが4人の訪問者によって状況は一転、そして訪問者達は「世界の終末を回避するために貴方達の選択が必要」と告げるお話。

シャマラン監督作品、前も書きましたが割と好きな監督でして画面から伝わる変な感じにとても好感が持ててしまうのです。

今作は開始1分で本筋に進むのと畳みかけるように物語が展開する辺り
訪問者達同様時間がない事を意識させる意図があったんでしょうかね
キャビン内での会話で、最初に何故訪れたかの理由を説明する場面があるのですが、ここの会話でキャラクターのアップを斜めから撮っているのですがここが映画館のスクリーンだとても気持ち悪く、エリック達の思考が追い付かない不安さを表現しているように思いました。

本筋の合間に回想が入るという手法はシャマランの常とう手段ですがこのタイミングがいつも絶妙で回想だとすぐ分かる感じは結構考えて編集しているんだろうないつも感心します。

ただし、物語については正直つまらないという人が多いのではないかと思います。実際観ていて「これ人は入らないな」と思いましたし、
それとシャマランによくある「・・・それで?」という感想が出やすいタイプの作品になっています。

とはいえ「偶然と取るかそれとも神の御業と取るか」という点と
「自分が何者で役割とはなんなのか」という点においては一貫していると思います。
本作でも実際未曽有の大災害は起きて訪問者達がヴィジョンが本当だったとも取れますが正直災害もそれを止める方法も偶然かもしれないというのを曖昧にしている所がポイントなのかなと。

それと家族に理解はされなくても3人幸せに暮らしている姿も回想シーンで出てくるので中々選択をすることができない気持ちも重々理解できてしまうんですよね。
そして逆に訪問者達の回想描写がないのでエリック達の視点に観客を立たすのも中々憎い演出です。

考え出すと色々納得のいく答えはあるのかもしれませんがそんな目くじら立てなくても良いぐらいにはきちんと作られているようには思います。