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ノック 終末の訪問者のFireFox917のレビュー・感想・評価

ノック 終末の訪問者(2023年製作の映画)
4.0
山小屋で休暇を楽しんでいたゲイカップルと養子の少女。そこに謎の4人の訪問者が訪れて驚愕の要求を迫る。

マイケル・サンデル先生のハーバード白熱教室のトロッコ問題のような【決断】に関する哲学的な問いを思い出しました。
とは言っても啓示や黙示録等のキリスト教的な要素も入り、宗教的な内容も絡んで来る点に不気味さを感じました。

ユダヤ教、キリスト教の神は時に人間に犠牲を求めます。
旧約聖書でアブラハムが息子イサクを捧げようとした時に、神を敬うものとして認められ天使に止められるパターンか、新約聖書のイエスのように人類の罪を背負って十字架に掛かってしまう方なのか。
どちらかのパターンか想像しました。しかし、その前の世界や訪問者達の状況を見れば、この作品で描かれる神は人類に容赦しないようです。理由は不明ですが相当お怒りなのでしょう!

やはり、ストーリーとしては面白いと思いましたが、恐怖信仰には断固反対です。
また、新興宗教等がエンタメの範囲を越えて、この作品を布教の道具に利用しないことを願います。

犠牲を強いる神や善悪二元論が軸にある一神教よりも、神道や仏教のような自然と共にあるがままに生きる思想が日本人には馴染むなあと思うこの頃です。

あと、今回はシャマラン先生がどこにカメオ主演てるのか分かりませんでした…

とにかく、シャマラン作品を見続けて早20数年、今後もシャマラン先生の作品を観ることを楽しみにしています!
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