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ノック 終末の訪問者のKoichiのレビュー・感想・評価

ノック 終末の訪問者(2023年製作の映画)
3.0
その選択の結末は、
家族の犠牲か、世界の終焉か?!

世界の終わりを告げつる謎の4人と3人の中から一人を犠牲に選び、世界を救う決断を迫られる家族の運命を描くスリラー。

世界を救うことと引き換えに決断を迫られる家族にジョナサン・グロフ(エリック)、ベン・オルドリッジ(アンドリュー)、クリステン・ツイ(ウェン)。家族に決断を迫る4人にデイブ・バウティスタ(レナード)、ニキ・アムカ=バード(サブリナ)、アビー・クイン(エイドリアン)、ルパート・グリント(レドモンド)をキャスティングしている。そして最高のスリラー監督、M・ナイト・シャマランが制作、脚本も手掛けている。

今回の作品は「黙示録の四騎士」をモチーフに世界の終焉を回避するために選ばれた4人と唯一世界の終焉を食い止める力を授けられた3人の家族の決断と葛藤を描いたスリラーとなっている。

想像すらできない荒唐無稽な現実を告げられた家族が四人の言動によって、その空想的な話が実感となっていく中で、心に変化が起きてくる。家族を愛し、家族を守ることを最優先に考えるアンドリュー、一方で家族を愛するのと同様に人の痛みに寄り添うエリック。彼らは両極的だがそこには“絶対的な愛”があると言ってもいいだろう。だからこそ彼らはあのような決断をしたのではないだろうか。

今回の物語では「黙示録の四騎士」として「導き(支配)」「救い(戦争)」「食育(飢餓)」「癒し(疫病)」と言った逆説的なキャラクターとして描かれている。彼らの職業からも“世界の終焉”を回避するために遣わされた4人については、神に選ばれたことは必然だったのかもしれない。

一方で、世界の終焉を食い止めることができる力を授けられた家族についてだが、どうして彼らだったのか?“神の気まぐれ”だったのか?それともそこには何らかの意図があったのか?さまざまな考察が想定される。しかし、その真意はシンプルなのかもしれない。ここに関しては作品を見た者が“感じた想い”が全てであるべきの方が良いように感じてならない。

今回の作品はスリリングな展開と絶妙なカメラワークが見どころだと思う。また、これまでのような「アッと驚くどんでん返し」的な仕掛けはないが、その結末に至る過程を読み解いていくことが、この作品をより楽しめる見方のようにも感じる。
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