ねこねここねこ

ノック 終末の訪問者のねこねここねこのネタバレレビュー・内容・結末

ノック 終末の訪問者(2023年製作の映画)
3.1

このレビューはネタバレを含みます

シャマラン監督だってことは後で知ったので、また監督どこに出てたか見逃した💧

ゲイのカップル、アンドリューとエリック、そして東洋系で口唇裂というちょっとした傷を持って生まれたウェンという養女。3人は不完全だけど完全な家族。
郊外のキャビンに休暇で来たようだけど、そこにレナードという大男がやって来てウェンに話しかける。
不吉な予感に急いで両親に家の中に入るように伝えるが、強い口調で自分達を家に入れるように言うレナードを含む男女4人。入れないとわかると強引に押し入って来る。
4人は終末のビジョンをはっきり見たと言い、ネットで知り合い、神に選ばれたこの一家の誰かが進んで犠牲になれば終末は避けられる、人類の未来がかかっているから誰か1人が自ら犠牲になるよう選べと言ってくる。

この辺り、アメリカって犯罪多いのになぜいとも簡単に押し入れる構造の家のなのか不思議。まぁ要塞みたいにしろとは言わないけど、自分ならセキュリティ不安で滞在したくないかな。

というわけで地下室、窓、裏口などあらゆる場所から突入して来る4人。この4人が黙示録の四騎士を表しているようだけど、つまりあらゆる角度から人間界に侵入するってことなのかな、と考えたり。

そこでなぜか一家に自己紹介をし始める4人。
ゲイを嫌悪し過去にバーでアンドリューを殴った男レドモンド(ルパート・グリント←この人なんとハリポタのロンだった人なんだねー、なんか面影あると言えばあるし、でもなんかガッカリ😱💦)
赤いシャツを着てるからおそらくそのちょっと乱暴な性格からも人間に戦争をもたらす赤い馬🐴に乗った第二の騎士を表してるのかな。
そして黒いシャツを来たコックのアドリアネは黒い馬に乗った第三の騎士で飢饉をもたらす。
黄色いシャツを着た看護師のサブリナは青白い馬に乗って人間に疫病や死をもたらす第四の騎士。
そして最初に現れた白いシャツを着た教師のレナードは人間に支配や勝利をもたらす役目の白い馬に乗った第一の騎士。 
こういう理解で良いのかな。

なぜかサブリナは青白いシャツではなく黄色いシャツなのが疑問だけど。なんか意味があるのかないのか。

この辺りはキリスト教的な知識がないと理解できないし、表面上はうっすら理解しても畏れや恐怖は理解し難いものだといつも感じる。 

そしてまぁちょっと乱暴な感じで諍いを起こしそうなレドモンドが戦争をもたらす第二の騎士の具現化なのはわかるけど、疫病や死をもたらす第三の騎士の具現化されたサブリナはそれらを助ける看護師で、脳震盪を起こしたエリックの手当てをしており、飢饉をもたらす第四の騎士の具現化のアドリアネは飢饉に対して食事を作って与えるコック👩‍🍳で、実際にウェンに食事を作って食べさせていたり、真逆じゃない?
うーん、どう解釈すべきなのかわからん。

でもサブリナは結構好戦的でアンドリューをグサグサとお手製?の変な武器🛠⛏で刺したりして、こんな看護師やだなぁと思う。武器と言えば、クワ⛏の取手に包丁🔪くっつけたようなお手製感満載の陳腐な武器をそれぞれが持っていて、変に笑える。

しかしその武器で何かのタイムリミット毎に4人のうちの1人が順番に自ら犠牲になり、残りの人に殺される道を選ぶ。
そんなことしてたらこの徒党はいなくなるじゃんと思っていたら、やはりそうで、最後はレナードが自らの命を捧げる。
それぞれの命を捧げても終末の惨事は避けられず、結局神に選ばれたこの一家の誰かの犠牲でしか終末は避けられないから、それまでの時間稼ぎ的な役割。
時間稼ぎする時間、短か過ぎない?

うーん、でもある日全く同じビジョンを見た4人がネットで繋がり、狂信的なカルト集団(と言っても数人なんだけど)となってやって来る設定がチープな感じが否めないし、なぜこのゲイのカップル+口唇裂の東洋系の少女という、アメリカ社会においてはむしろはみ出し者的な存在の家族が神に選ばれし一家なのかもわからない。なにがしかの意味を持たせての設定なんだろうけど。

全体的に唐突感が強く、神の啓示なのかなんなのか、なぜこの4人が四騎士のように選ばれて、どのようにして強い使命感が生まれ、この神に選ばれし一家に辿り着くかがサッパリ描かれてないので彼らの行為が狂気にしか見えない。

無理矢理押し入っておいて自己紹介を始めたり、生贄差し出せ的な要求して来たり。
こんな人達を前にしたらゆっくり思考もできないし、ほらね、大惨事が起こってるでしょ?的にTVニュースを見せられても、この4人を信じようとは到底思えなくて集団幻覚か集団ヒステリーとしか思えないだろうな。
しかし途中からいきなりビジョンが見え出すエリックにはお前もかーい!とツッコミたくなるし、なぜアンドリューじゃなくなぜエリック?ウェンでもないよね?エリックが常にアンドリューにずっと一緒にいると伝えるシーンが2回ほどあるけど、あれも意味があるのか?

まぁ最後は自ら犠牲になる決意をしたエリックの死とともに終末の惨事は防げたらしい。これでいいのか??

それにしても無理があるのは、養女にするのに「妻の兄と来ました」って、そんな雑な設定で養子縁組出来ちゃうわけ?というあり得ない雑さ。
なんとなくゲイカップルと何がしかの障害のある子供という設定で「チョコレートドーナツ」という映画🎦を思い出した。あれは良かったな。また観たい。(関係ないけど…💧)

まぁ100分程度だから最後まで観れたかな。衝撃のルパート・グリントも出演してたし。
そして回想シーンの一家3人はいつも幸せそうで良かったなぁ。

評価は分かれるところだろうけど、不条理、不穏な雰囲気、案外嫌いじゃないな。