それらは突然現れて、最悪の選択を突き付けられ、選ばないと世界が崩壊していく。
イヤ過ぎるスリルが全編持続し、しかしこの画面（劇中人物にとってはテレビ、観客にとっては映画）の中でそれはすべて起こっているから信じるしかない。
良いか悪いかではなく「そこに起こっていることがすべて真実」となる「映画」というメディアの特性と常に全力で向き合っているのがシャラマン、前作『オールド』と本作は再びそこをむき出しにしてきた。
自分はアマプラで観てしまったが、こんなの巻き戻しも一時停止もできない映画館で観ないと意味がなく、映画館で観てしまえばもうひたすらそこに「すべて」がある。
『侵入者がうろつく後ろで、椅子に縛られたゲイのカップルがそれぞれに後ろ手を動かしてなんとか縄をほどこうとしている。養女は所在なく自由になっている。外には侵入者の仲間がいる。』
限定空間でカメラが揺らいでその場にいる人物の動向を一つ一つ見せるワンカット。そこに映るすべてがスリルになるの、やはりシンプルに映画が上手い。
どう考えても扱ってる話もその答えもカルト宗教を肯定しかねないヤバイ話なのに、そのヤバさを現実に召喚するような圧があった。
