ひー

ぜんぶ売女よりマシのひーのレビュー・感想・評価

ぜんぶ売女よりマシ(2017年製作の映画)
1.1
エヴァ・マリーの「味方」の証言ばかりで、福祉事務所側や警察側やセックスワークに反対する側の証言がほぼ無いので、全く中立な内容ではないと感じた。

本作はセックスワークを勧めたい側の主観のみに基づいて制作された映画で、客観的な視点が皆無になっている。

福祉事務所に回答を拒否されたとしても覆面捜査など何らかのアプローチはできるはず。

セックスワークが規制されたのは、確実に何らかの重大なきっかけ(事件や虐待など)や、社会的な経緯があるはずなのに、それらを完全に無視した内容になっていた。

そもそも親の権利よりも子どもの命や権利が何より優先されるべきで、例え1%でも虐待の疑いがあれば子どもを保護するのは良いことだと思う。

現に親権ばかりが尊重される日本では子どもの命や権利が蔑ろにされているので、重大な虐待事件の被害児童であっても親元に返され、虐待死するという事例が多発している。

女性をセックスワークに就かせて甘い蜜を吸いたいミソジニストが作った映画にしか思えなかった。
また作り手は子どもの命や権利よりも親権や親の意向を重視するべきと考えているのではないか。

この映画の作り手は、セックスワークが社会的地位を得ることで世の女性が受ける差別や迫害についてまるで理解していない。
いや、それらを理解しているからこそ、このような内容の映画を作ったとしか思えない。

日本でもAV新法に反対したりセックスワークへの取締に反対する層は、女性に売春させたい男や超売れっ子のAV界の頂点に君臨するAV女優ばかりである。

こんな映画を観て喜ぶのは、風俗に行きたいミソジニスト男や、セックスワーカーを内心見下している女だけだと思う。

「女性がセックスワークに就く権利ガー!」と主張するミソジニストが非常に多い日本であればエヴァ・マリーも幸せになれたかも知れないね。

本作の作り手は、女性が売春する権利が実質的に認められ、強力過ぎる親権の元で子どもが虐待死している日本を知れば泣きながら喜ぶんじゃねw
ひー

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