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こどもかいぎのtakehiのネタバレレビュー・内容・結末

こどもかいぎ(2022年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

なんで生まれてきたの?
なんで雨って降るの?
死ぬってどういうこと?
どうして戦争するの?
「こどもかいぎ」とは保育士が進行役で6人程の園児達が思った事を話す、聞く。。
子供達の余りにも自由な発言が楽しいですし、刺激的でした。

ピーステーブル
園児同士で揉め事が起きればテーブルを挟んでイスに座り当事者の子供同士で対話をすることで解決に進ませる、このテーブルを「ピーステーブル」といいます。 
問題が起きれば園児達に主体性を持たせて、なるべく解決させる。
保育士は見守り、心に寄り添い、手助けするその姿に感心しました。

☆対話することに拘り、園児の自主性を育むことを保育プログラムに取り入れた幼稚園のドキュメンタリー映画です。
近年は「14才の栞」や「夢見る小学校」等々、子供達の喜怒哀楽が生き生きと写し撮られた映画増えていますね。その中でも本作品の幼稚園児達の表情が豊か過ぎて衝撃を受けました笑 怖いぐらい凄んだ顔、嫌ぁ〜な顔、優しい顔、驚いた顔、困り顔や泣き顔、したり顔、真剣な顔、沢山の笑顔笑顔笑顔、、(そういえばコロナウイルスが猛威を振るう前の撮影なのでノーマスク! しっかり表情を堪能できました。)

給食時間
床やテーブルに給食こぼしまくり、髪の毛にオカズ着けながら椅子から転げ落ちる子供のシーンはアクション映画顔負けのカットでした、(アッておじさん声あげちゃった!)給食をぶちまけた園児はパニックになりながらも、保育士さんと一緒に対処を考えて掃除をします。

自由時間
幼稚園には三輪車が走るコースがあって、まるでレースをしてるように走れます。
三輪車の数には限りがあり、乗りたい子はコース脇の決められたベンチで待たなければなりません、特にルールがあるわけでなく、代わって!なんて声かけますか、お友達は何周も何周も乗り続けて、すぐなんて止まってくれません。
保育士はいっしょにベンチに座って「乗りたいよね〜」なんて声かけて寄り添うだけで、いつまでも乗り続ける子供達にとくに注意するわけではありません。
ずいぶん待たされてから、やっと乗れて意気揚々と走り出す子供、、降りた子供は今度は待つ番になりました。。するとさっき散々待ち続けた子供は待つ事の辛さをわかっているのか、意外とすぐに交代してあげました、こんどは代わる代わる交代して乗るようになった子供達でした、思いやりや優しさが生まれた瞬間におじさんは感心しました。

自由時間2
段ボール製の秘密基地で遊ぶ男の子達、突然怒り出し剣のおもちゃで頭を叩く乱暴な子供、叩かれた子供は(おじさんも)なぜ怒られているか理解できず怒り泣くばかり、、ピーステーブルで対話を始めると、段ボールの秘密基地が壊れるので気をつけて欲しいという理由から怒って乱暴してしまった事がわかりました、、相互理解する子供達。

☆子供を子供扱いせず、保育士の見守りの中、人として行動させて、自主性(行動力)、コミュニケーション力(意見を相手に伝える)、想像力(相手を思いやる心)、創造力(問題解決)いわゆる「人間力」を成長させるための、子供会議とピーステーブルでの対話であり、見守り保育であります。
言葉でのコミュニケーションが苦手な子供さんが時が経ち、自己主張し始めた姿、  マイペースな乱暴君が対話ルールを理解してゆく姿、、一年を通して少しずつ成長する子供達に感動しました。
映画に特に大きい落ちがあるわけでないけど、皆無事に卒園式を迎えて、担任の保育士さんは涙涙、、とにかく皆子供たちは幸せになって欲しいですね! 終わる頃には親戚のおじさんの気持ちになっていました。

(封切り時Yahoo映画に投稿)
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