しちれゆ

ヒンターラントのしちれゆのレビュー・感想・評価

ヒンターラント(2021年製作の映画)
3.7
第一次大戦後 ロシアの捕虜収容所から故国に帰ってきたオーストリア兵士 ピーターと仲間たち。
最初 船に乗っている場面で海を渡っているのかと思ったらドナウ川。この雰囲気ある映像に掴まれた。ブルーバック撮影という手法らしく画面も魚眼レンズで撮ったような湾曲した画角になっている。背景は明らかにCGというか絵。これがファンタジー感を醸し出していて面白い。
故国が帝政から共和制へと変わり混乱する世相の中 次々に殺人事件が起こり元刑事のピーターは捜査への協力を求められるのだが、これらの殺人事件は実は他人事ではなかったという話。殺人事件はたしか4件、これがひとつひとつおぞましく凝っていて適度にグロくて楽しめます。
それとピーターが初めて聴く音楽に「何だこれ?」と驚くと一緒にいた女性が「アメリカの黒人音楽よ。ジャズというの。」と言うのが印象的。ワルツやオペラしか知らなかったヨーロッパの人々がジャズを初めて耳にした時の驚きや興奮が想像出来るシーンでした。
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