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サイバー地獄 n番部屋 ネット犯罪を暴くのkuuのレビュー・感想・評価

3.7
『サイバー地獄:n番部屋 ネット犯罪を暴く』
原題 사이버 지옥: n번방을 무너뜨려라 / Cyber Hell: Exposing an Internet Horror.
製作年2022年。上映時間105分。 
韓国社会に衝撃を与えた『n番部屋』事件の実体を追跡するドキュメンタリー映画。

匿名で利用でき、 性犯罪の温床となっていたオンライン チャットルーム。
その運営者の正体(『ガッガッ』)を突き止めようと奔走した人々と、逮捕までの経緯に迫るドキュメンタリー。
(韓国の日刊新聞ハンギョレによると、犯人の『ガッガッ(GodGod)』は、2019年2月から、テレグラム上に1番から8番の8個の秘密のチャットルームを作り、脅迫で入手した映像や共犯者から得た数百の映像を流出させていた。
そのことから、事件は総称として『n番部屋』事件と呼ばれてます。
クソ手口、クソ経緯は今作品にて、また胸くそ悪い野郎ですので視聴は十二分に気を付けて下さい。)

n番部屋事件の真相究明にかかわった記者やプロデューサー、警察など24人のインタビューを通じて犯罪の実体を明らかにしていく、緊縛するサイバー犯罪追跡ドキュメンタリーでした。
初めてこの事件を追った『追跡団火花』から本格的に取材して報道した本紙のキム・ワン記者とオ・ヨンソ記者、サイバー捜査隊警察まで、彼らの生の声をカメラに収められてます。
このイカれた犯罪のことは、
NHK BSプレミアムのドキュメンタリー番組『アナザーストーリーズ 運命の分岐点ーーあなたが気になる“あの事件”の裏には、かならずもう一つの物語がある。』で、
『追跡 デジタル性犯罪の闇 〜韓国 N番部屋事件〜』てのを見てはじめてこのイカれた犯罪を知った。
今作品のイカれサイバー性的虐待、無道な蛮行の被害者リストはかなり膨大で、少女たちが大きく関わっているという事実が、この作品の製作者にとって、全体像を描くことを難しくしている。
今作品は、主にメディアと、数ヶ月かけて犯罪を調査し、主要な加害者であるバクサ(博士)とガッガッを追跡した倫理的ハッカーの視点から語られていました。

今作品のチェ・ジンソン監督は、ストーリーの周りに巧みなムードを作り出すことに成功していると個人的に感じたかな。
テンポも非常によく、メチャ速い勢いで新しい断片が投げかけていくので、ついてくのにも必死になった。
常に新しい展開があり、エンディングを迎えたときには、有能な人たちと話をしているような、いい感覚になりました。
勿論、イカれた犯罪を思うと胸くそは悪くはなりましたが。
新しいテクノロジーによって、病んだ人たちが、人々の生活を完全に破壊してしちまうのは、本当に恐ろしいし悲しいことです。
しかし、このような病める人が恐ろしい蛮行を続けるのを止めるために、自分の人生を捧げ、危険を冒そうとする人々がいることもまた頼もしい事でもあったかな。
今ドキュメンタリーに登場する人物は、一人一人が興味深く、実在の人物でなければ、映画の登場人物のように思えました。
終盤になると、この事件に対する彼らの献身的な取り組みが伝わってくる。
このような犯罪者を捕まえるには、特別な人間が必要だということがよくわかった。
今作品はネトフリで視聴できる実録ドキュメンタリーの中でも高いレベルの作品のひとつかもしれない。
リアルタイムで展開される事件を感じられるので、自身の予防線としても機能するんじゃないかと思います。
今作品で描かれている実際に起こったイカれサイバー性的虐待は、女性に対する暴力と、テクノロジーが凶悪犯罪を助長する方法についての痛ましい事件でした。
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