爆裂BOX

ブラック・サイト 危険区域の爆裂BOXのレビュー・感想・評価

3.3
「未体験ゾーンの映画たち2023」で上映されたミシェル・モナハン主演のサスペンス・アクション。
病院爆破テロで娘と夫を亡くしたCIAの情報分析官のアビーは事件の捜査の為、ヨルダン砂漠にある秘密軍事施設通称「ブラック・サイト」に志願して赴任し、10ヶ月がたつもテロ首謀者で「悪魔」の異名を持つテロリストハチェット逮捕の進展がないまま任務期間の終了が迫る中、アンカラに展開していた特殊部隊がハチェットを逮捕し、施設へ移送するとの情報が。ついに家族の仇であるハチェットを尋問する機会が訪れるも、ハチェットはすぐさま脱走して殺戮を繰り広げるというストーリーです。
恐らく低予算作品なので爆発や銃撃戦などの派手なアクションはないですが、「ダイハード」や「エイリアン」のような閉塞空間での戦いを描いた作品になっていましたね。
本作の製作にも名を連ねてるジェイソン・クラーク演じるテロリストハチェットの無双ぶりが大きな見所と言えますね。椅子に拘束されてデルタフォースに拷問されてる状態から皆殺しにしたり(これは内通者の協力もあったのかもしれませんが)、迷路のような施設内をゆっくり歩いて移動しても追いつけず見つけられなかったりといったその神出鬼没ぶりや、銃をあまり使わずハンマーでボコボコ殴ったり、刃物で刺したりといった殺し方や殆ど台詞がない所等ホラー映画の殺人鬼を思わせるキャラになってました。主人公の背後を通り過ぎる所はマイケル・マイヤースちょっと彷彿しました。
ミシェル・モナハンは戦うヒロイン役を好演していたと思います。アクションも少しだけとはいえ頑張ってたんじゃないかな。中盤からはタンクトップ姿で戦いますし。
ジェイソン・クラークも出ていた「ターミネーター:新起動/ジェネシス」に出ていたジェイ・コートニーが主人公と対立して裏切る性悪兵士役で中々に嫌な活躍してくれてます。散々主人公にイキってエラそうな態度とるけど冷静に考えるとテロリストに命乞いしてるという小物感もいい感じでした。
最後主人公と対峙したハチェットがそれまでの無双ぶりが嘘のようにアッサリやられて行動不能になる所はいくら何でも腰砕け過ぎ。もうちょっと分析官らしさだして追い詰めてほしかったな。
真の黒幕の存在が明らかになって生き残った彼女の戦いはこれから始まる、という完全に続編意識したラストになってましたね。「ハチェットは何人もいる」って言ってましたし、あのハチェットもハッキリ死ぬシーンないから再登場させられそうだし。
幾らなんでも護送してきたデルタフォースや施設の警備兵たちが弱すぎて無能すぎたり、内通者もすぐわかったりと粗もありますが、最後までそれなりに楽しんでみる事は出来ましたね。午後ローとかでそのうち放送しそうなほんおちょっとレディースアクション作品でした。