悪魔の毒々クチビル

呪詛の悪魔の毒々クチビルのレビュー・感想・評価

呪詛(2022年製作の映画)
3.5
「ごめんなさい、嘘をつきました」


娘の呪いを何とか解こうと奮闘する度に他人が死んでいくお話。

今流行りの台湾産ネトフリホラー。
いきなり話逸れるんだけど、一昨日今作を観ようと思ってダウンロードしたら日本語字幕付いていなかったんですよね。
まぁ英語字幕でも良いかと思い観始めるも、儀式関連の単語とかいちいち調べながら観るのも面倒だし、そもそも「これ結構な人観てるけど皆英語字幕で観てたんか?」と気になり調べると、何とダウンロードした時だけ日本語字幕が表示されないクソ仕様だった事が判明。
中盤辺りはシンプルな会話メインですが、小難しい単語は多いのでこれから観る人はダウンロードせずに観ましょう。

じゃあ内容について。
一応、何年か前に台湾で起きた事件が元になっているみたいです。
撮影形式はPOV。監視カメラの映像だったり、手持ちカメラ、ファウンドフッテージ等々いくつかミックスさせています。
なので俺みたいに酔い易い人間には中々しんどくて、一周回って途中で眠くなりました。だからスマホの小さい画面で観たかったのに……

雰囲気自体はかなり重苦しくて良かったですが、この手のPOVホラーお馴染みの「主人公ら登場人物がカメラ命のアホ」要素が作品の重厚さを見事に台無しにしていました。
そもそも呪いにかかったのも、主人公が昔YouTuberの心霊ロケ的なノリで呪いの発祥地になったあの地下道に突入したからだし。
呪いの特性上、深く関わった人間はほぼ全員死んでいきながら娘を助けたい一心であのオチまで頑張る母親ですが、その癖絶食ルール破ったりとその後の行動含め結構イライラさせられる箇所が多かったです。ちゃんと事前に命に関わるから護れって言われていただろうが。
まぁあのラストを観た限り基本的には計画通りだったんだろうけど、はた迷惑な疫病神どころか死神っぷりが凄く嫌いでした。
割と最近、今作と同じようなオチだったホラー映画観たけど何だったかな。

ホラー演出はビックリ系が苦手な人は絶対ビビるだろうし、口内に歯がびっしり生えると言った集合体が生理的に苦手な人がしんどい描写もちょいちょいあります。俺はどちらも当てはまるのでしんどかったです。で、酔うし。
ただビックリシーンは尋常じゃなく恐ろしいとかではなく、「グレイブ・エンカウンターズ」なんかとあまり大差無かったのであの辺りを普通に観られる人ならそんなにビビらないと思います。
あと今作の田舎に伝わる呪いの設定なんかは、昔よく読んでいた「洒落怖」系や都市伝説的な
要素を多分に含んでいて、何となく親しみを感じていたのでそこは良かったですね。

派手な驚かし演出以外にも、じわじわと気味の悪いホラーな仕掛けが随所にあったのもあって退屈では無かったものの、「とんでもないものを観てしまった……」と放心状態になるような作品ではなかったです。何なら主人公に対する苛立ちの方が妙にじっとりと残りました。
とは言え最近だと「スナッチャーズ・フィーバー」の時と同じく、文句は多くてもしっかりビビったのは認めざるを得ないタイプのホラーだったのでね、そこは評価しますとも。
続編制作が決定していますが、出来ればPOVはもう止めて欲しい。