shiho

呪詛のshihoのレビュー・感想・評価

呪詛(2022年製作の映画)
3.3
かなり期待して観たんだけど、期待はずれだった。
題材はすごく好きだ。でも全然怖くないしあんまり面白くもなかった。

言うなれば「あかんもの触れてしまった系POVホラー」なんだけど、世界に誇るJホラーをはじめとする多数の既出作品たちが観ている私の頭に次々と浮かび、何一つそれらより秀でた部分はなく、特に目新しさも感じなかったのが残念だった。有名どころのホラー映画を大体履修しインターネットに転がる定番ホラーを読み漁ってきた身からすると、意外性はなんにもないんだよな笑

匂わせもしないように書いていく。

・時系列をごった混ぜにしすぎ。過去と未来の同時進行は2箇所が限界だ。三箇所は無理だやめろ。それが効果的ならいいけど、これは逆に分かりづらくしちゃっててもっとシンプルでいいのになと思った。

・説明が足りな過ぎ。今何をしようとしているのか?ここがどこか?これは誰か?
一回目だと本当に分かりづらいと思う。二回目、台詞を一つもこぼさないようによ〜く観たら多分こういうことかなって理解は出来た気がするけど、それじゃダメだと思う笑
理解出来ないと没入感は薄れるので、怖がるどころではない。マジで台詞でいいからもっと説明してよ。

・POVの脅かし方としては安っぽいんだよね。止まってからいきなりグアー!って襲ってくるのとかB級POVで何十回も観たよ。B級でももっと工夫して頑張ってたね!って作品多かったよ笑

・密教の施設の作りがなんかちゃっちかったな〜。恐怖というより嫌悪感が勝つ。
御神体もなんか安そうな作りだなぁと思っちゃった。密教だからね、あんまりお金かけてなさそうなのは正しいのかもだけど、あからさま過ぎて撮影用のセット感強かった笑 アルミ箔で出来てる…w?みたいな。

これ好みもあるかもだけど、色々見せ方が下手なのかなと思う。バッチリ見せられているのが逆に怖かった「ミッドサマー」、情報は少ないが効果的で身の毛がよだった「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」。本当にアカン場所に来てしまった感があった「REC」「REC2」…これらは比べると本当に良作でしたね。

・グロさもドロドロしていてなんか汚い感じ。歯がボロボロ生えて抜けるみたいな描写はキモかったけど、これもネットに転がる雑な恐怖画像のコラージュを見せられているようなゲテモノ感があったな。体から血が滲んでうえ〜ってシーンもあるんだけど、よく見ると肌の上になんかついてんな(特殊メイクだねぇ)って分かってしまって私はわりと平気でしたね。ストーリー上「あらあら可哀想に」とは思ったけど。
芋虫は欧米ホラーで出てくるミミズ系よりはまだぽろぽろしててかわいい方なんじゃないかな。まぁキモそう!と思ったら直視しないようにすればイケますよ、大丈夫。

・自分的には"ヒト型のものが迫ってくるか"どうかは恐怖を感じるか否かにかなり大事なんだけど(もちろんこの条件を満たしていなくても良いホラー映画はある)、そういう意味でも幽霊系0だしヒトコワってほどでもないんで、何が怖いのか分からなかった。

私は期待し過ぎたのがいけなかった。"B 級に毛が生えたようなもの"と思っていればそれなりにイケるかもしれません。とりあえず、少しでも楽しみたいならもうこれ以上レビューは読まないでさっさと観始めた方がいい。(多くの人が書いている感想を読むと、なんとなく分かってしまう部分があるからです)

結論としては「呪い」「大人から子供への愛」などの要素を完全網羅していてなおかつ分かりやすくてめっちゃ怖い我らが「リング」が最高過ぎるよね!パチパチパチ!ありがとうございました!!ということを再認識したのでした。
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