ある集落に言い伝えられる禁忌を破り、呪われてしまった女性の６年間を記録したPOVホラー。呪いから後に生まれた娘を守るためにオーディエンスに訴えかけるモキュメンタリー演出が用いられています。
（この作品に限ったことではなく）手振れの激しいハンドカメラ演出と悍ましい映像の相性が良く、また東洋文化独特の重苦しさも重なってホラー映画としては及第点の作品です。
が、POV作品として「登場人物が撮影した記録を覗き見る」という点で多くの矛盾が生じています。問題は多岐に渡りますが共通してハンドカメラを使用するには不自然なシーンが多過ぎます。
また現代社会に併せて「主人公が恐怖動画を配信する」という選択はファウンドフッテージの要素を弱めてしまい逆効果です。全体的に恐怖より不自然さが勝ってしまう「ハメ撮りの美学」を無視した駄作です。
このジャンルにおいて「ブレアウィッチプロジェクト」の完成度が余りに高く、それ以降どの作品も越えられない印象です。
