甲越

きっと地上には満天の星の甲越のレビュー・感想・評価

きっと地上には満天の星(2020年製作の映画)
4.3
自分の想像を越えるエンディングは物凄く切ないのだが、自分としてはとても良かった。邦題はもちろん素敵だと思うが、原題の「Topside」に込められた意味は何なのか考えさせられる。どのような境遇であっても親は子供に自分よりも幸せになって欲しいと願うからなのか。でもこの映画が凄いのは、子供を守りたいと思う気持ちが実は母親の自己満足ではないかと問いているところに非情な現実を写し出す。底辺で子供を守るために必死でもがくニッキー役のセリーヌ・ヘルドの緊迫感ある演技が良く、そして彼女がこの映画の脚本と演出を共同で行ったことを知り、この映画への深い思いを感じる。リトル役のザイラ・ファーマーが素晴らしく、演技とは違うリアリティーが凄い。そして何よりもラストで見せるいじらしさには本当に泣けてくる。いい映画を観たと満足しています。
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