とてもいい時間の流れる映画だった。前半は正直ノれなかったけど、清原伽耶パートからグンと良くなる。たとえば居酒屋のシーン。そこにいる彼女が痩せてこわばった存在として映し出される生々しさにまず驚愕…。マジで恐ろしい映画だと思った。しかしある出来事が起こって、その中で彼女が自転車を漕ぐのを俯瞰で捉えたショットの悠々とした時間の流れが、我々観客をも癒す。そうやって思い返すと、岡田将生パートにも晩酌という至福の時間があったことに思い至る。そしてそこで流れるラジオによって二人は繋がっていたのだ。なんだか美しい。ぼくも今晩はゆっくりしよう。
