海老シュウマイ

1秒先の彼の海老シュウマイのネタバレレビュー・内容・結末

1秒先の彼(2023年製作の映画)
1.0

このレビューはネタバレを含みます

このお話、オリジナルでも互いに「相手を思い遣る」気持ちが見えないので、もともとあまり応援する気持ちになれないのだけど、

日本版チューニングとして、マーケティングとしても、男女を入れ替えることで、オリジナルの持つ「気持ち悪さ」を回避しようとした狙いもわかる。そりゃ清原果耶なら何してもいいよ。

ただ、東宝配給でバーンと350館上映ならそのチューニングもわかるけど、たかだか100館で興収1億ちょいなのにそんなチューニング必要だったかぁ?

小さい割に豪華な座組だったり、小さくやろうとしたこと自体は好感持てるけど、であれば、オリジナルを突き通しても良かったんじゃないか。
もっと誇張させて、柄本時生や岡山天音でも良かったし、童貞役なら日本の至宝、前野朋哉がいるんだから。


ほんとに、原作至上主義じゃないんだけど(台湾版のネタバレ)、
あの海岸のバスのシーンは、その気持ち悪さ、手前勝手さを洗い流すだけのパワーがあったし、二人だけの世界だからこそのピュアさがあって、枕元での二人のシーンで泣けるんじゃん?
世の中的には良くないことだけど、気持ち悪いと思われてしまうけど、あの千載一遇のチャンスで本人にとっては精一杯のがんばりだったり、最後の最後の一線を越えない謙虚さが、キャラクターのちょっとした挽回チャンスだったわけで。

だし、荒川良々がどうやっても蛇足で、無理矢理出すぐらいなら、清原果耶に自家用車を運転させればいいだけなのに。
「二人の世界」にあの一人が加わるからこそ、奴の言動に重みや味わいが出るんじゃん。

というかやっぱり男女入れ替えで、弱男の物語ではなくなったし、じゃあ非リア女性への応援かと言えば清原果耶がキレイキレイに演じるわけで、結局、その要素を切り捨てて爽やか路線へ舵を切ったわけだ。
ブサイクは一切出さず、岡田将生と清原果耶。

それならこの話のリメイクなんかしなきゃいいし、興収10億行ってからドヤ顔して欲しい。

檜山沙耶の報道で寝込むぐらいの自分にとって、映画内でさえ自分の存在をなかったことにされるのは残念で仕方がない。